なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2010/6/7 月曜日   ツキノワグマ日記

熊のエリアで疥癬症キツネは死んでいた


6月6日、無人撮影ロボットカメラの点検に行った。
そのとき、森の中で異臭が強烈に漂ってくるのを感じた。

「おかしい…?」と思い、あたりを探れば、そこにはキツネの死体があった。
死後3日ほどの死体だった。
ウジが猛烈な勢いで活動しており、カラスだったのだろうか腐敗したキツネの腸を引きずり出してあったが食べるのを諦めた様子だった。
シャツの袖で鼻をふさいで、呼吸をとめて、オイラは大急ぎで撮影をしてきた。

死んだキツネは、その体毛の抜けぐあいから先日撮影されたカイセンダニにやられた個体にまちがいなかった。
撮影地点から、わずかに60mのところで死んでいた。
撮影日は5月18日だったから、そのご3週間弱でこのキツネは死んでしまったと思われる。
意外に早くに逝ってしまった、ようだ。
これも自然界の死をめぐる、ひとつの発見だった。

そういえば、カイセンダニにやられたキツネを撮影した同じ場所で、2007年12月7日にも同じようなキツネを撮影していたことがわかった。
このときのキツネも、尻にほとんど毛がなく、すでに重症だった。
このようすからして、たぶんこの個体もまもなく死んでしまった可能性が高い。
やはり、無人撮影ロボットカメラは長期間運用することによって、見えざる自然界のナマの姿を記録してくれるからすばらしいことだと思う。
そして、その記録をきちんと分析して検証できることが、ロボットカメラを運用する秘訣だろう。

このキツネの現場には、小規模ながら疥癬症となった若いツキノワグマのいることは前回にも述べた。
その個体の最新写真(6月5日03時56分撮影)が、コレである。
疥癬症は小規模と感じるが、これはこれでクマにとってはけっこう重症なのかもしれない。
顔を見るかぎり、かなり元気そうだが、カイセンダニは静かに確実に進攻しているようだ。
ちなみに、この若いツキノワグマはメスであることが判明している。
今後どれほど観察ができるかわからないが、このクマの推移を見守りたいと思う。

写真:
1)3歳になるメス熊だが、顔は元気そうだ。
2)こういう死体を確認できるのも、フィールドで五感をフル稼働させていないと発見できない。
3)これらの写真結果から、2~3年置きにカイセンダニが復活したり消滅していることがわかる。
4)尻が疥癬症になっているが、はたして今後どこまで進行するのかあるいはすぐに死が待っているのか?
熊のメスの陰部には、小水用の導毛があるのはご存知だろうか…?

(from/ gaku )

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