なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2008/8/5 火曜日   ツキノワグマ日記

ツキノワグマの大捕り物劇の末に射殺

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ボクは東京のど真ん中に、都会の野生動物を調査するための無人撮影ロボットカメラを設置してある。
そのカメラチェックのために、一ヶ月ぶりで都内へ出かけた。
そして深夜になって帰宅したのだが、翌朝何人かの知人から『昨日はツキノワグマの大捕り物劇があったんだぜー』、っと聞かされた。

聞けば、近所のホテル近くに朝10時ころクマが出現して、それを従業員が見つけてしまったのだ。そこで、パトカーが何台もやってきて交通遮断をして、クマの捜索が開始されたのだそうだ。やがて、1時間後にクマは射殺されたのだったが、2歳ほどのオスだった。

その現場は普段から知っているだけに、ボクには「あそこにはクマの通り道があるのだが…」と改めてクマの出現に自分の判断を確信したものだった。そこまでのルートも、ここ何年かのあいだに突き止めてあるので、そのホテル横にクマがでてきてもちっともおかしくないことであった。
今回は、ホテルの従業員に見つかってしまったので運が悪く殺されてしまったが、見つからずに潜行していくクマも少なくない。
しかも、そのルート付近には蜜蜂を飼育している場所もあるが、そこには不思議と被害が発生していないのである。ここを通過していくクマたちは、たぶん蜂蜜タイプでない嗜好度のちがうクマたちであろうことがうかがえる。

今年もまた、ドングリなどの実りぐあいを推定してクマの出没占いをするのだろう。
しかし、クマは毎年同じように活動していることは、ボクの無人撮影定点カメラからでもわかっていることだ。目立つ年と目立たない年があるだけであって、ツキノワグマたちは奥山でも里山でもひっそりと確実に潜行しているからである。
今回は、たまたま見つかってしまっただけであって、人家の近所を確実に潜行しているクマがたくさんいることにそろそろ気づいてもらいたいものだ。

写真:夜間の遊歩道をのんびり散策するツキノワグマ。

(from/ gaku )

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