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	<title>ツキノワグマ事件簿</title>
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	<description>なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか？自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ</description>
	<pubDate>Thu, 21 Jan 2010 05:48:11 +0000</pubDate>
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		<title>平成時代の熊を語る独自な発想力…</title>
		<link>http://tukinowaguma.net/archives/563</link>
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		<pubDate>Thu, 21 Jan 2010 05:38:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator>gaku</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[ツキノワグマ日記]]></category>

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		<description><![CDATA[
今年も、新しい年がやってきた。
ここ５年ばかり、長野県のツキノワグマを追ってきたが、こんなことをいつまでもやっているわけにはいかない。
今年あたりで区切りをつけよう、と思っている。
ボクは、研究者でも、専門家でも、行政 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a title="113" rel="lightbox[563]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/113.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-564" title="113" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/113-199x300.jpg" alt="" width="199" height="300" /></a></p>
<p>今年も、新しい年がやってきた。</p>
<p>ここ５年ばかり、長野県のツキノワグマを追ってきたが、こんなことをいつまでもやっているわけにはいかない。<br />
今年あたりで区切りをつけよう、と思っている。<br />
ボクは、研究者でも、専門家でも、行政でもないのだから、自分自身が納得するまでツキノワグマのことを知ればそれでいい、からである。<br />
ツキノワグマは確実に増えているし、ボクにとっては普通に棲む日本の野生動物であるということも分かったので、一定量の仕事ができてしまえばそれでいいのである。</p>
<p>日本のツキノワグマは今すぐ絶滅するようなヤワな生物でもないし、ドングリやブナの実りだけで左右されて生きているような単純な生物でもない。<br />
それなのに、まったく新しい発想力を駆使して調査しないばかりか、その方法論や技術論も確立できないまま「ツキノワグマ絶滅論」を掲げて、日本中があまりにもの低レベルな自然思考に陥っていることへの再確認ができた、とボク自身は思っている。</p>
<p><a title="28" rel="lightbox[563]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/28.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-565" title="28" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/28-300x99.jpg" alt="" width="300" height="99" /></a></p>
<p>日本中に何頭のツキノワグマがいて、現在の自然界でどれだけの数が適正なのか。<br />
どこまで減少すれば絶滅するのか、どこまで増えれば余剰部分を間引いてもいいのか。<br />
そんな基本的なことにも気づこうともしないまま、社会全体がツキノワグマのことをマクロ的に捉えることのできない発想力の弱い人間ばかりとなってしまった。</p>
<p>ツキノワグマには、必ず通る地域があるし、そこにはメインストリートとなる「けもの道」もできる。<br />
集団でそのような地域を移動するツキノワグマだが、それでいて個々にいろんな食物嗜好もあることが分かっている。<br />
さらには、時代の変化と共に現代社会をいろんな角度から学習しながら、メンタル面でもどんどん変化してきているのもツキノワグマなのである。<br />
そして、ニホンジカの激増地域では、シカを捕食しているツキノワグマが確実に数を増しているのだから、食肉目「クマ科」動物としてのツキノワグマの変化を再認識しながら理解しなければならないことは明白だ。</p>
<p><a title="38" rel="lightbox[563]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/38.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-566" title="38" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/38-300x98.jpg" alt="" width="300" height="98" /></a></p>
<p><a title="45" rel="lightbox[563]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/45.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-567" title="45" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/45-300x96.jpg" alt="" width="300" height="96" /></a></p>
<p>写真家なのに、ボクは自然界からのちょっとしたサインを受け止めながら、現代の自然界の変化をマクロ的に捉えることをするから仕事のスピードを保てるのである。<br />
そのためには、誰にも頼ることはしないし、身銭はすべて切ることにして、行動している。<br />
だから、どこにも誰にも、気兼ねをすることはないので、仕事もスピーディーに的確に進むというものだ。</p>
<p>それなのにツキノワグマを語るヒトのなかには、調査するにも身銭を切ることもしなければ、行動力も技術力も発想力も乏しく、また、クマのぬいぐるみを想像させているだけの低次元な精神構造であたかもツキノワグマのすべてが分かってしまったかのような論調で社会に混乱を与えていくことはよくない、と思う。<br />
自然を語る人たちのレベルが日本ではそのくらい低いものとなってしまい、そういったところの指摘もできないような社会になってしまったことに、ボクは残念さを感じると同時に滑稽さをも覚える。</p>
<p><a title="51" rel="lightbox[563]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/51.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-568" title="51" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/51-300x225.jpg" alt="" width="300" height="225" /></a></p>
<p>なのでボクは、これらの技術や自然を見つめる視点は、自分のために使いきればいいのであって、他人や社会に期待もしないし、アテもしていない。<br />
プロの写真家なのだから、ここはやはり自分の仕事だけに反映させればいいことであって、ブログで斬新な情報提供をする必要もない、と思うようになってきた。</p>
<p>ツキノワグマにどう迫っていくかといった企業秘密としての実験や、公開できないコロンブスの卵ともいえる相当数のウルトラＣが、ボクにはまだまだたくさん隠されている。<br />
これらは、クマ以外の仕事をしながら順次発表していくことにするつもりだ。<br />
新しい技術を公開しても日本社会では、２０年、３０年遅れのタイムラグでやっと世間の意識が動きはじめてくることは、これまでの経験で自分自身がいちばんよく分かっていることでもある。<br />
そして、このような技術と発想力は自分にしか使えないことも、知っている。<br />
なので、自然界をどう見るのかといった「視点」、それをどう捉えていくのかといった「発想力」、そして結果を導きだす「技術力」。<br />
これだけは誰もやってくれるものでもないから、自分自身でモチベーションをあげていくしかない。<br />
そして、時期がくれば、「えんま様のおみやげ」にすればいい、と考えている。</p>
<p>そんなことを思う2010年の年初だった。<br />
<a title="61" rel="lightbox[563]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/61.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-569" title="61" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/61-300x195.jpg" alt="" width="300" height="195" /></a></p>
<p>写真上から：<br />
１）ツキノワグマにも個体変異はかなり多くそのまま習性にも現れてきている。顎の白い毛と胸の三日月にもかなりの変異があることも面白い。<br />
２～４）体毛からＤＮＡを取り出してツキノワグマの個体調査をするには画期的なことだと思うが、肝心の体毛をどのようにして大量に確実に確保していくかといったことにも「技術」が問われる。その結果を出すには、トラップをどのように設置すればいいのかを考える必要があり、それには大胆奇抜な「発想力」が求められる。そして、それを全体的に見つめてどう処理していくかということには、自然界をあらゆる角度からマクロ的に捉える「視点」が必要になってくることだろう。<br />
５）ツキノワグマの体毛は、意外と確保しやすいものだ。<br />
６）ツキノワグマの習性を知ってしまえば、いろんなところにも体毛はみつかるものである。</p>
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	</item>
		<item>
		<title>ツキノワグマの「けもの道」を巡る熊たち</title>
		<link>http://tukinowaguma.net/archives/556</link>
		<comments>http://tukinowaguma.net/archives/556#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 22 Dec 2009 01:04:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>gaku</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[ツキノワグマ日記]]></category>

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		<description><![CDATA[
この３頭のツキノワグマには、目印が付いているから個体識別ができる。
１番目の写真は、右耳に赤いタグがついている。
２番目の写真は、左耳に黄色のタグがついている。
３番目の写真は、右耳に赤いタグと、ＧＰＳ首輪がついている [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a title="tagu-3-mai" rel="lightbox[556]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/tagu-3-mai.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-557" title="tagu-3-mai" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/tagu-3-mai-300x65.jpg" alt="" width="300" height="65" /></a></p>
<p>この３頭のツキノワグマには、目印が付いているから個体識別ができる。</p>
<p>１番目の写真は、右耳に赤いタグがついている。<br />
２番目の写真は、左耳に黄色のタグがついている。<br />
３番目の写真は、右耳に赤いタグと、ＧＰＳ首輪がついている。</p>
<p>そして、下の集合写真には、２４頭のツキノワグマが写っている。<br />
この中には、子連れもいるので、それらを加えれば頭数的にはもっともっと多くなる。<br />
この２４頭は、とりあえず今年の一部の数なので、正確にはまだたくさんのツキノワグマがここを歩いているのである。<br />
しかも、この場所は、すでに３年間にわたって「無人自動撮影ロボットカメラ」が狙っている。<br />
なので、年間を通してどれほどのツキノワグマが往来しているのか、ボクには把握ができている。<br />
だから、毎年ドングリの豊凶作でツキノワグマの出現を予測するニュースが流されるが、そのような予測に関係なくここには３年間増減なく、どっさりとツキノワグマが出現してきている場所なのである。<br />
だから、ツキノワグマの動きは人間の目に見える年と見えない年があるようだが、実は毎年確実に山野を行動しているということがボクには分かっていることなのである。</p>
<p><a title="24-mai" rel="lightbox[556]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/24-mai.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-558" title="24-mai" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/24-mai-300x133.jpg" alt="" width="300" height="133" /></a></p>
<p>とにかくここは、ツキノワグマが足しげく往来する「けもの道」である。<br />
なんの変哲もない場所だが、なぜかここだけはツキノワグマがよく通るのである。<br />
山野を歩いていてこの場所を見つけたときは、「もしや」という勘が働いたのでカメラを設置してみたのだった。<br />
すると、予想通り、たくさんのツキノワグマがメインルートとしてここを使っていたのである。</p>
<p>ツキノワグマはふだん行動するときには足跡一つ残さないことが多いから、どこを通っているかなんて予測はなかなかつけにくいものである。<br />
しかし、ボクには何となく勘のようなものが現場で働くから、自分の直感力を確認するためにカメラで裏づけをとっているのである。<br />
このような確認作業は、デジタルカメラの時代になったことでフィルム時代より格段のスピードをもって確かめることができるようになった。<br />
このスピードは、そのままスキルアップにもつながるから、自分自身の予測と結果もそれなりに確かな手応えとして蓄積されていくのが嬉しいことである。</p>
<p>こうして確かな裏づけをとっていると、ツキノワグマは決して滅びゆくほどに数の少ない動物でもなければ、減少しつづけている動物でもないことがいえる。<br />
こうした事実を確認するたびに、「机上発信」と「現場発信」とのギャップがあまりにも大きいことに気づくから、やはり確かな視線でいまの日本の自然界をきちんと見つめるべきだと思うことしきりである。</p>
<p>写真上：このような目印がついていると、写真撮影のうえでも個体識別ができるから、いろんな予測ができて楽しい。<br />
写真下：赤枠が首輪つきの熊、緑枠が耳タグつきの熊。こうして並べてみると、いかにノーマークのツキノワグマが多いかも分かってくる。</p>
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	</item>
		<item>
		<title>ツキノワグマを探るにはフクロウ観察技術の応用</title>
		<link>http://tukinowaguma.net/archives/546</link>
		<comments>http://tukinowaguma.net/archives/546#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 07 Dec 2009 02:25:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator>gaku</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[ツキノワグマ日記]]></category>

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		<description><![CDATA[
1990年に、ボクは、平凡社から「フクロウ」という写真集を出版した。
この写真集は、５０００円という高額ながら１０刷りという異例の売れ行きを示した。
発売してもう20年にもなるが、はっきりいってこの先30年間はあの写真 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a title="112" rel="lightbox[546]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/112.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-547" title="112" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/112-300x296.jpg" alt="" width="300" height="296" /></a></p>
<p>1990年に、ボクは、平凡社から「フクロウ」という写真集を出版した。<br />
この写真集は、５０００円という高額ながら１０刷りという異例の売れ行きを示した。<br />
発売してもう20年にもなるが、はっきりいってこの先30年間はあの写真集のクオリティーは出てこないと思っている。<br />
そのくらい、完成度の高いものだと自負している。</p>
<p>あの写真集でボクがまず考えたことは、夜行性のフクロウの生活史すべてを年間を通してきちんと観察してみたい、ということだった。<br />
とにかく闇のなかを行動するフクロウだから、わからないことばかりの野鳥である。<br />
それは裏を返せばそこが魅力的なのだから、自分自身の自然観と究極の観察技術と撮影技術を磨く相手に不足はないと思ったからだ。</p>
<p>フクロウ写真といえば、日本では毎年春になれば子育てをしている巣穴だけを狙って、あたかもそれがフクロウの生活史のすべてのようにこれまで語られてきた。<br />
春の子育ての一場面を記録するだけで、表現力はまるで何十年と進歩もなく、そのことに疑問すらいだかないまま、同じことが繰り返されてきているのである。<br />
フクロウは野生で、一年中生活しているのに、たった2ヶ月間だけの子育て時期を撮影して生活史のすべてを語ることには、無理があるのではないのか？<br />
こんなことでは、フクロウにかぎらず日本のたしかな野生を確かな視線で語ることはできない、とボクはきわめて不満に思っていた。<br />
だから、年間を通したフクロウの観察を誰もできないのなら、自分でするしかない、と思ったのである。</p>
<p><a title="27" rel="lightbox[546]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/27.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-549" title="27" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/27-300x161.jpg" alt="" width="300" height="161" /></a></p>
<p>そこでまずボクは、フクロウという漢字のもつ「梟」を分析することからはじめた。<br />
梟という漢字は象形文字だから、双眼鏡もなかった時代にこのような字がすでに出来上がっていたこと自体に興味がある。<br />
昔の人はそれだけ、肉眼と精神性で自然観察をきちんとしていたから、このような字が生まれたのであろう。<br />
そこで、漢字が示すとおり、フクロウは木に覆いかぶさるように止まることをつきとめた。<br />
ならば、枯れ木を山野のいたるところに立てて、フクロウに止まってもらおうと考えた。<br />
そして、その枯れ木のてっぺんには特殊なセンサーを自作して、フクロウが実際に止まれば、確実に信号を刻むようにしてみたのである。</p>
<p>この作戦は、見事に成功した。<br />
一夜に8回も10回もフクロウがやってきて、カウンターが確実に動いていたからである。<br />
これは、ボクが徹夜をしながらフクロウを直接観察しなくても、カウンターのコマ数でフクロウの一夜の動きのおおよそを無人のまま知ることができたからだった。<br />
場所によってはカウンターがまったく作動しない木もあり、夜間のフクロウの見えない動きがこうして点と線でつながっていったのである。</p>
<p>しばらくしてから、フクロウが止まればカウンターを数えるといった装置を、こんどはブザーにつなぎ、フクロウがやってくれば音も出るようにした。<br />
そのあと、音と光が同時に出るようにして、野生のフクロウがカメラのシャッター音やストロボ光に驚かないよう、無人調教もしていったのである。<br />
もちろんこのセンサー回路を寝袋の中まで引き込めば、ボクが熟睡中でもフクロウがやってくれば、バイブ振動で起こしてくれるようにもしてみた。<br />
こう工夫することで、フクロウが来るまでは体をゆっくり休めることができるし、直接観察による深夜の体力ロスも抑えることができたのである。</p>
<p>たったこれだけのアイデアだけど、これは誰も教えてくれたわけではないし教科書もなかった。<br />
自分自身ですべてを考え、装置も手づくりしていったのである。<br />
それは、フクロウが生活する自然の中に自分を置いて五感を働かせながらフクロウの気持ちになって同化していけば、黙して語らない自然界がボクにどんどんアイデアを提供してくれたからだ。<br />
こうして、フクロウを自分のものにしていくと同時に、フクロウが１６種類の言葉をもって闇夜で会話していることも突き止め、ボクは言葉の意味を通訳できるようにもなった。<br />
ここまでくれば、闇夜のフクロウの動きを事前に自在に読むことができるようになり、その結果があのような写真集につながったのである。</p>
<p>だから、夜間活動するフクロウを見たこともない人にとっては、フクロウ自体が幻で貴重な野鳥のように映るであろう。<br />
だが、きちんと観察すれば、フクロウは予想外に数の多い野鳥で、地域によっては５００～８００ｍ置きに1羽いるくらいの密度で生息していることにも気づく。<br />
こういう数字は、やってみなければわからないことであって、これまでの定説といわれることがいかにいい加減であるかが分かってもくるものだ。<br />
そしてそうしたことを自分で確認する術をもたないまま、全国に流布されてくるニセ情報をあたかも自分の知識のように信じ込んでいくから、国民のすべてが洗脳されてフクロウは少ない貴重な野鳥ということになってしまっていくのである。</p>
<p><a title="37" rel="lightbox[546]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/37.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-550" title="37" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/37-300x221.jpg" alt="" width="300" height="221" /></a></p>
<p>このようなことは、そっくりそのままツキノワグマにも言えることである。<br />
日本の山野をひっそりと行動しているツキノワグマだから、それを探るにはそれなりのアイデアと探りかたのスキルが求められるからだ。<br />
熊がどこをどう歩いているのか、個体関係はどうなっているのか、など、分からないことだらけのツキノワグマを少しでも知っていくには、現場であらゆる発想転換が求められる。<br />
粘着テープなどのヘアートラップで体毛を集めたり、妨害枝を立てたりしてツキノワグマの行動チェックを進めるにあたっても、膨大な知識量と経験と現場での機転、着眼点が大きな結果を仕分けてもくるからである。<br />
その上で、無人撮影装置でツキノワグマの姿を撮影して確実な裏づけを得たり、さらには、熊にしか反応しない誘引物質で次なる行動を引き出したりすればいいのである。<br />
こうして、とにかくいろんな発想力で実験を繰り返しながら熊像に迫っていけば、新たな発見の連続となり、その発見からさらに高度な発想力へとヒントがひろがり、次なる実験へとアイデアも磨かれていくからである。</p>
<p>ツキノワグマをはじめとする日本の野生動物に迫るには、教科書なんてないのである。<br />
教科書は、それぞれの地域の自然に即した「教科書」を自分でつくるしかないからだ。そして、それを教えてくれる教師は、それぞれの地域の「自然界」だからである。<br />
宮崎学はいまでもこうして、日本の野生動物たちに迫っているのである。</p>
<p>写真上から：<br />
１）「フクロウ」写真集の表紙＝平凡社発行<br />
２）象形文字の「梟」の漢字をよく見ていれば、やがて止まりかたまでもが見えてきて右の写真を撮らざるをえなくなった。<br />
３）熊避けスプレーにはトウガラシ成分が入っているというので、もっとも辛い青トウガラシに対してツキノワグマがどのような反応を示すか実験をしてみた。トウガラシの入った袋を齧らなければシャッターが切れない仕組みになっているので、2番目の写真は熊がたしかに齧ったことを示している。</p>
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		<item>
		<title>能鑑賞で熊を探る…</title>
		<link>http://tukinowaguma.net/archives/538</link>
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		<pubDate>Fri, 20 Nov 2009 00:04:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator>gaku</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[ツキノワグマ日記]]></category>

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		<description><![CDATA[
熊という漢字は、能という字に足がついている。
なぜ「能」なのか、この象形文字には前々から興味があった。

能といえば、見る角度により仮面が笑っているようでもあり、怒っているようにも見える。そんなレベルの知識しか、ボクに [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a title="111" rel="lightbox[538]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/111.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-539" title="111" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/111-300x172.jpg" alt="" width="300" height="172" /></a></p>
<p>熊という漢字は、能という字に足がついている。<br />
なぜ「能」なのか、この象形文字には前々から興味があった。</p>
<p><a title="25" rel="lightbox[538]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/25.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-540" title="25" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/25-300x199.jpg" alt="" width="300" height="199" /></a></p>
<p>能といえば、見る角度により仮面が笑っているようでもあり、怒っているようにも見える。そんなレベルの知識しか、ボクにはなかった。<br />
しかし、ツキノワグマを観察していると、同じ熊でも、見る角度によっては表情が別物ではないかと思えるくらいに違って見えることがよくある。<br />
そんな感覚でツキノワグマを見ていたから、ここはひとつ勉強のためにも一度は能鑑賞をしておかなければならないと考えていた。</p>
<p>ちょうどタイミングよく、近所に舞台がやってきたので、さっそく先日の日曜日に大枚をはたいて出かけてきた。<br />
はっきりいって、退屈な３時間だったが、熊と能の答えは出なかった。<br />
ひとつだけ答えらしいものは、役者の歩行が熊にそっくりな音を立てない「すり足」だったことである。<br />
それと、小鼓や大鼓は、熊避けの鈴やカウベルの音よりも、フィールドでは実際に効果があるのではないかと思ったことである。</p>
<p><a title="36" rel="lightbox[538]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/36.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-541" title="36" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/36-300x199.jpg" alt="" width="300" height="199" /></a></p>
<p>能という漢字自体すでに熊を表しているとも言われるし、架空な３本足の動物だとも言われる。<br />
だから、つかみどころのない「能」と「熊」にはなんらかの関連性があるようにも思われるが、これはボクの宿題としてまだまだ残っていくことになるのだろう。<br />
ツキノワグマも、確かにつかみどころのない野生動物であることだけは確か、だからである。</p>
<p>写真上から：<br />
１）ツキノワグマはほんとうにいろんな表情をもっていることは、撮影していてもよく分かること。<br />
２）どことなく魅力的な能面は、熊の表情とも共通点がある。（能鑑賞説明会で撮影）<br />
３）熊の顔で怒った表情は知らないが、心の中ではかなりの喜怒哀楽があることだけは確か。（公演看板写真を撮影）</p>
]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>カメラが熊にいたずらされた</title>
		<link>http://tukinowaguma.net/archives/533</link>
		<comments>http://tukinowaguma.net/archives/533#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 11 Nov 2009 14:13:40 +0000</pubDate>
		<dc:creator>gaku</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[ツキノワグマ日記]]></category>

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		<description><![CDATA[
３週間ぶりにカメラのメンテをするべき、ある場所にでかけてみた。
なんと、樹枝に縛り付けておいたカメラコントロール用のアンプが、いたずらされて吊る下がっているではないか。
こんなことをするのは、人間かツキノワグマしかいな [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a title="110" rel="lightbox[533]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/110.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-534" title="110" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/110-300x199.jpg" alt="" width="300" height="199" /></a></p>
<p>３週間ぶりにカメラのメンテをするべき、ある場所にでかけてみた。<br />
なんと、樹枝に縛り付けておいたカメラコントロール用のアンプが、いたずらされて吊る下がっているではないか。<br />
こんなことをするのは、人間かツキノワグマしかいない。<br />
よーく調べてみると、細い幹にはタテに爪跡が何本もしっかり残っていた。<br />
傷跡の大きさ深さからして、それは子熊の爪跡だった。</p>
<p>やっぱり、好奇心旺盛な子熊がアンプに興味をもって細い幹をよじ登ってきたのだ。<br />
ついでに、カメラ本体も動かされて、レンズは空に向かって3枚の空シャッターを切っていた。<br />
メディアを調べていつの作業かと時間をチェックしてみれば、一昨日の深夜2時のことだった。</p>
<p><a title="35" rel="lightbox[533]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/35.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-535" title="35" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/35-225x300.jpg" alt="" width="225" height="300" /></a></p>
<p>そういえば、６月から３組の親子熊がここにやってきていることはわかっていた。<br />
１組は、子熊を２頭連れていて、あと２組は１頭だけの子熊だった。<br />
いたずらをしたのはこのうちの誰かだろうか、それとも新顔の親子熊が新たにやってきたものなのか？</p>
<p><a title="44" rel="lightbox[533]" href="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/44.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-536" title="44" src="http://tukinowaguma.net/wp-content/uploads/44-225x300.jpg" alt="" width="225" height="300" /></a></p>
<p>このような事件もあるのだから、カメラを３週間もほったらかしにしてはいけないと大いに反省をする。<br />
天候がしばらく安定していたからよかったものの、この間に大雨でもくれば貴重なアンプを水浸しにしてダメにするところだった。<br />
まあ、ここでの撮影も３年間に及んのだから、もうそろそろカメラの回収をしてもいいと思っていたから、これを機会に設置を取り外してきた。<br />
そのキッカケを、子熊がつくってくれたことになる。</p>
<p>写真上：6月からの新顔子熊兄弟。<br />
写真中：こんなカンジにアンプが吊る下がっていた。<br />
写真下：爪跡は、子熊のものだった。</p>
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