なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2007/2/9 金曜日   調査

昨秋の「クマ棚」を探す

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ここ10日ばかりの好天続きを利用して、昨年のツキノワグマの出没状況を検証する調査をしている。

いわゆる昨秋できた「クマ棚」というやつを、確認しておかなければならなかったからだ。

長野県下はもちろんのこと、静岡県、愛知県、岐阜県まで足を運んでいる。

クマ棚は目線で見えるところだけでなく、奥山といわれる数キロ先の山並みまで双眼鏡とフィールドスコープで広範囲にチェックを入れるのである。

これによって、すべてではなくてもクマの生息状況が相当にわかるからだ。

その結果、ある地域には数千個もの「クマ棚」が集中している場所を見つけた。

また、昨年はたくさん出没した地域でありながら、クマ棚がまったく見られないところもあった。

さらには、ボクの無人カメラ周辺のクマ棚も標高別に見ておく必要もあり、それらのデータと照らし合わせながら考察材料にしている。

こうして見てみると、クマ棚に関係なくツキノワグマはどこにも出没しており、ドングリの凶作だけで里への出現を語りきってはならないことにも気づいた。いわゆる、奥山といわれるところから里まで、確実に多数のツキノワグマの生息痕跡が認められるからである。

これは、世間でいわれるほどクマの数が少ないのではなく、圧倒的な数で生息しているという事実を自分なりにつかむことができている。

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こうした観察から、さらに自分の見解を裏付ける意味でも、これから投入する無人カメラの場所も見えてくるから、いまからその結果を楽しみにしつつ機材開発にも着手した。

このような機材開発にはイメージトレーニングも必要であり、イメージがそのまま結果につながっていくところが面白いのである。イメージトレーニングは、過去のボクの仕事のすべてにも生かされてきたことであるから、こうした「絵コンテ」を描くには現場を見ておかなければならないからだ。

そして、山地所有者を調べ設置許可を得てからでないと前に進めることもできないから、地域に合わせた機材開発と許可申請は同時進行なのである。

その作業を今月中にすませておかなければ、時間がたりない。

写真上:遠景で見れば何の変哲もない山だが、ここに無数のクマ棚があった。

写真中:A枠、B枠のUPを下に示したが、ABの間や枠外にも同じようにクマ棚が点在していた。

写真下:望遠レンズの撮影では限界もあるが、フィールドスコープだともっと生々しくリアルにクマ棚の存在が迫ってくる。これらの棚は、クヌギ、ミズナラ、クリなどだ。

(from/ gaku )

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