なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2007/3/7 水曜日   ツキノワグマ日記

山陰地方のクマ棚

道路際 1

兵庫県豊岡市で写真コンテストの審査があって、やってきた。

このような時は、周辺の自然環境を見るために、ボクはいつも自分の車で出かけるようにしている。

車には、厳冬用とスリーシーズン、真夏用の3つの寝袋が常時積まれているから、どこでも寝ることができる。しかも、ガスコンロや水も完備してのキャンピング車だから、長距離の旅はなんの苦痛もない。

別に今回はツキノワグマのことを調べるつもりはなかったが、播但道を走っていて高速道路際にたくさんの「クマ棚」を見つけてから、がぜん調べてみなければならないと思った。

高速道路際のクマ棚のあんばいは、まさに信州の高速道路際にあるのと一緒だったから、現代のツキノワグマの心理状態を全国的に探ることができると思ったからだ。

そんな感覚で養父郡を通過して豊岡市へ入るところで、これまた国道のすぐ脇にもいくつものクマ棚を見ることができた。

そう思って、いろんなところを探せば、これがけっこう見つかるのだった。

この感じからして、かなりの密度で山陰地方にもツキノワグマが生息しているものと思われる。

そして、これは信州と共通していえることだが、その「クマ棚」の事実を地元の住民がまったく知らずにいることだった。

遠景の道路際2

この地方での昔のことは知らないが、現在では確実にかなりの生息数があるものと思われた。

そこでボクなりに気づいたことは、20−30年前にはじまった松枯れが終わって、むかし松林だったところからマツがすべて消えて、その跡地にクヌギなどの広葉樹がすでに林を形成していることだった。

これは、ツキノワグマにとっては餌が豊富で今後の増殖がきわめて期待できる環境にあるということである。

いや、もうすでにかなり増殖していると思っていい。

その裏付けとして、豊岡市のブドウ農家ではすでにかなりの被害が発生しているとのことだった。

これは、早急にクマとのつきあい方を地域住民が勉強しなければ、通学路などで子供たちをはじめ人々との事故も起きかねない。

そのための勉強会は必要だ、と思った。

コウノトリの巣跡クヌギ林

このあと、鳥取県で病気療養中の知人を見舞い、いまは島根県まできている。あしたから中国山地などを駆け足でめぐって、信州まで帰ることにしよう。

写真上:国道312号線の30m脇にもクマ棚が多数。

写真中:矢印のところにクマ棚はある。

写真下:60年前には鉄塔との間の山の斜面にコウノトリが営巣していたという。そこは全山が松林だったが、20年前に全滅して現在はクヌギ林となっている。ここにも、ツキノワグマの存在が周辺集落に伝わっていた。

(from/ gaku )

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4 件のコメント »

  1. 2005年5月の連休に
    コゲラの調査で私も養父や豊岡方面(の山林)を回りました.
    その年は、熊棚はなかったと思います。

    コメント by 石田健 — 2007/3/7 水曜日 @ 22:43:28

  2. 昨年取材に行った、豊岡のコウノトリの郷公園でも、クマが園内までやってきていると言ってましたね。
     

    コメント by くまがい — 2007/3/7 水曜日 @ 22:54:28

  3. 公園に勤めている知人によると
    「毎年、やってくるはずの郷公園のカキの木には、来た形跡はありませんでした。」とのこと。
    2006年は、来なかったようです。

    コメント by 石田健 — 2007/3/8 木曜日 @ 3:11:37

  4. >石田さん
    取材に行ったのは放鳥の前でしたから、一昨年でしたね。

    コメント by くまがい — 2007/3/8 木曜日 @ 17:11:59

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