なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2011/1/31 月曜日   ツキノワグマ日記

ツキノワグマの生息を知るのもセンス

「ツキノワグマの多数生息を知る観察会」なるものが、2011年1月22、23日と行なわれた。
告知も唐突ならば、募集期間も3週間弱と短かった。
そして、雪道走行、車中泊などと、ハードルも高かった。
にもかかわらず、全国から10名ほどの参加者があった。
まさに、これはオイラの読みどおりでもあった。

ツキノワグマのことを本気になって知りたいと思う人ならば、何はさておいても駆けつける、と思ったからだ。
物見遊山で、40人も50人も集まったのでは収集もつかないから、あえて募集も唐突ならば期間も、ハードルも高くしたのだった。
10名とは、ちょうどいい人数でもあった。

そして、とりあえず2日間にわたって、オイラのフィールドでツキノワグマの痕跡などを見てもらった。
「黙して語らない自然界」をどう読んでいくかといった着眼点など、ブログや書物でも伝えられないちょっとしたヒントを現場で伝えたまでだ。
みんな、「目からうろこ」のようなカンジだったが、それも無駄ではなかったようだ。

その証拠に、1週間ほどしたら続々と各地から報告があがってきたからである。
観察会の折にオイラは、「皆さんは、今日で10年間ほどの無駄な時間を短縮してツキノワグマを知ることができる」と挨拶したものだった。
オイラと会わない限り、何もヒントを教えられなければ10年どころか一生分からないまま無駄時間を過ごすであろう。
自然関係の本を100冊読んでいるから、俺は自然のことは何でも知っているのだと豪語しているようなブログなどをときどき見受けるが、そんなのフィールドでは何の役にも立たないしクオリティーのある生態写真一枚撮れないだろう、とオイラは笑い飛ばしている。
だから、実践をしているオイラの「ナマ」な言葉の端々には、野生のツキノワグマに急接近できる重要な視点が隠されているからである。

でも、参加者はツキノワグマが多数生息することを知ることができても、これからさらにたくさんのハードルや壁にぶち当たるであろう。
写真撮影をしたいと思うのならば、もっとたくさんの試練と壁が待ち受けているに違いない。
それでも、ツキノワグマに迫るロボットカメラの基本的ポイントも伝えた。
だから、あとは本人たちの努力次第で撮影も可能であろう。

しかし、天狗になったら、オイラから「破門」されることも伝えた。
「けもの道」以降、自動撮影の戸間口を知って多少の撮影ができるようになると、すぐに「「天狗」になってしまった人間をオイラはたくさん見てきている。
それには、ほんの「戸間口」しか伝えてなかったので、たとえ天狗になっても次に続けるスキルがないと自滅するのも時間の問題だからである。
無人撮影ロボットカメラにも、底知れぬ奥の深さのあることを知らなければならないからだ。

今回の参加者のなかには、今後の努力によってはさらに進歩もあることだろう。
そんなところも、静かに見守りたいとも思っている。
このような観察会は、今回が最初で最後である。
そして、なぜ今年なのか、冬のいま観察会となったのかも、参加者にはしっかり伝えた。

(from/ gaku )

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6 Comments

  1. 何が何でも行っているものの一人です。 
    数年前からこのサイトをずっと観てきました。

    がたまたま告知の時ネット環境が切れていました。 

    知ったのは20日なので遅かったです。

    人生を凄く暗いものにしてしまったとおそらくこの事では一生後悔します。
    ですが10人ほどの方に今後活躍を期待します。

    ツキノワグマの生態を知ろうとしてもそうそう簡単には知れません。
    ちなみに自分は林業関係と罠猟をしているので一年の大半は山に入っていますがツキノワグマに限らず鹿や猪の本当の生態すら知れないでいるのが現状です。

    本当に残念でした。

    Comment by 春名 — 2011/1/31 月曜日 @ 20:08:11

  2. 何度も申し訳ありません。 
    学さんに教わった10名の方で人手不足などありましたら力になりますので色々私にも学ばせてください。

    ツキノワグマの生態などこちらで書いてある事意外まったく知りませんが知識は素人ですが若さがまだありまだ黙して語らない自然界を知りたいという気持ちはあります。

    後悔と思うなら恥ずかしいですがこちらに書き込みさせてもらいました。

    大変申し訳ありませんでした。

    Comment by 春名 — 2011/1/31 月曜日 @ 21:24:59

  3. 以前、「福井県に通いつめている」とコメントさせていただいた京都市在住の男です。

    春名さんと同じく参加できませんでした。
    私は経営者であり、仕事を優先せざるを得ませんでした。
    考え抜いて決めたので自分の選択に後悔はありません。

    先生のおっしゃる「着眼点」やブログでは伝えられない「ヒント」。
    どんなに時間がかかっても自分なりに探りたいと思います。

    Comment by 素人 — 2011/1/31 月曜日 @ 22:39:38

  4. 良いですね。 
    私も経営者で一人親方です。 

    いつでも時間は作れただけに後悔してます。

    ツキノワグマ以上に学さんの考え方、ひらめき方、学さんの着眼点が知りたかった。

    鳥の巣材で動物の毛を集める方法。
    あれは盲点でした。

    私はまだまだ青く未熟ですから10年分以上の価値でしょう。
    まさに目からウロコです。

    しつこいのでこの辺でやめます。

    Comment by 春名 — 2011/2/1 火曜日 @ 21:04:51

  5. […] 1年、自然界の報道写真家 宮崎学さんのブログ「ツキノワグマ事件簿」で「ツキノワグマの多数生息を知る観察会」を開催する!という情報を得まして、早速参加申込をいたしました。 […]

    ピンバック by 自然界の報道写真家 宮崎学さんが開催した「ツキノワグマの多数生息を知る観察会」に参加 - 岐阜県 飛騨・高山のツキノワグマ調査ブログ — 2011/3/20 日曜日 @ 11:00:54

  6. […] ツキノワグマの多数生息を知る観察会 -自然界の報道写真家 宮崎学さん主催- に参加して、たくさんの新しい知識や考え方を学んできて初の熊棚調査です。 […]

    ピンバック by 2011年1月29日 熊棚調査 - 岐阜県 飛騨・高山のツキノワグマ調査ブログ — 2011/3/22 火曜日 @ 15:51:10

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