なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2007/1/8 月曜日   調査

『2−3年後にツキノワグマは絶滅する?』 その5

大クマ

野生のツキノワグマの生態写真を撮影するには、いまがチャンスである。

それも、時代の最先端をいくクオリティーの高い仕事をするには、ここ2−3年が勝負である。

これは、プロの写真家としてボクがいま感じている独特の「勘」である。

それまでに、ライバルに負けないような独自な仕事ができるように技術力を磨いてこれなかったものは、悪いけれど実力がなかったものと思って諦めるべきであろう。

そのくらいに、ツキノワグマに関してはチャンスがめぐってきているから、だ。

その裏には、ツキノワグマの個体数がいまをピークとしているからである。数が多ければそれなりに出会いもあり、個体差もあるからいいモデルになってくれるクマもいるからである。

そうした自然界の動きを瞬間的に読み、勝負も打てないようでは、あらゆる面で浮上はできないと思っていい。

これは、撮影者にかぎらず、研究者や専門家にもチャンスがめぐってきているということ、なのである。

このことに気づかないまま、机上でツキノワグマが絶滅寸前だとか数が減っているから「守れ」などと脳天気なうわごとをいい続けている人たちは、行動を起こそうとしたときには手遅れとなろう。

ボクもそのころには、ツキノワグマのことをやりつくし、飽きて、手を引いているし別なところに興味が移っているから、ノウハウ面などで助けて欲しいと申し込まれても対応することはできない。

このように強気に断言できるのも、これまでの経験からモノを言えるだけの自信があるからだ。

30年も前に、日本ではじめて自動撮影ロボットカメラによる定点撮影をはじめてから、誰にも負けない技術力をボクは以後も磨き身につけてきた。

そうした技術を忘れずに、コツコツと独自なデータをさらに積み上げてきている経験からモノを申しているのであるが、日本ではある種の動物が10数年単位で増減している事実である。

タヌキなどは一時期爆発的に増加をはじめると、これまた内部崩壊をしてどん底時代をむかえる。

こうした繰り返しを見て知ってきているから、何が崩壊に向かって引き金になるかも共通点がある。

ツキノワグマも、のんびり構えていると、あっというまに「どん底」に向かう可能性があるからである。

それは、寄生虫であったり狩猟圧であったり、する。

写真:このブログで発表しているクマの写真は99パーセントが自動撮影である。ボクは、クマの行動をすべて予測した上でカメラを設置して撮影している。『啼かぬなら鳴かせてみせようホトトギス』が、ボクの野生動物に対する技術的返答である。

(from/ gaku )

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2 件のコメント »

  1. 先生の言葉に、頬をひっぱたかれた思いがします。
    2004年のクマ出没騒ぎの時は、富山・福井まで行き、被害者の取材をしたりしていましたが、昨年は、クマ射殺のニュースを見ても胸は痛めましたが、正直言って「またかぁ・・・」と、マスコミと同じ態度だったように思います。

    7〜8年前は、栃木県のフィールドで夢中でクマを追いかけていましたが、いつのまにか机上でモノを考えるようになっていたように思います。
    当時は、「一日で13回も見た!(13頭ではなく、のべ頭数ですが、今となっては、はたしてきちんと個体識別できていたかどうかも疑わしいのです・・・お恥ずかしい)」なんて喜んでいましたが、それは「ラッキー!」だったのではなく、大変な前触れだったのだと、先生のブログを読んで感じています。

    早速、私のクマのフィールドで、私なりの観察をしてデータを残したいと思います。
    ありがとうございました!

    コメント by くまがい — 2007/1/9 火曜日 @ 0:35:50

  2. くまがいさん、コメントありがとうございます。
    コメント後に申し訳ありません、記事が長すぎたので、半分にして、
    その5とその6に分けさせていただきました。
    混乱を招くといけないので一応ご報告まで・・・・

    コメント by モモンガ@裏方 — 2007/1/9 火曜日 @ 13:18:43

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