ツキノワグマ観察は今がチャンス
ツキノワグマが冬眠に入ったからといって、シーズンオフではない。
信州では山々の木々の葉が落ちた今が、クマたちの痕跡を探るにはちょうどいいからだ。
いわゆる「クマ棚」を探して、自分なりに今年のクマ出没状況を考察するのである。
南アルプス、中央アルプス、そして両アルプスの間にある伊那山脈。
これらの山々を12月に入ってから精力的に踏査をしている。
とくに伊那山脈は、最高峰が1889mしかないが、南北に100km余と巨大だ。
この山脈の大きさは、中央アルプスに匹敵するものがある。
これらの山々の里山といわれるところから奥山まで、どこにも、ツキノワグマは生息している。
そして、今年いわれているように「餌不足だから里山までクマが降りてきたのだ」ということを、立証するだけの調査がいまこそ必要だからである。
いや、これがすざまじいものなのである。
里山に限らず、これまでどおりのツキノワグマの行動エリアといえる山中に、おびただしい「クマ棚」が見られるからである。
これらのクマ棚の量と、これまで毎日のように皮膚感覚として見てきた中央アルプス山麓のツキノワグマの出没状況とを見比べても、すごい個体数が南アルプスや伊那山脈に入り乱れていることがわかるのだった。
ツキノワグマの生息数を少なく見積もって悲観的になっている人は多いが、このような実態を目撃できるのは12月から早春の3月までがチャンスなのでぜひ多くの人に観察してもらいたい。
そして、「クマ棚」は目立つがこれはツキノワグマの生活史ではほんのわずかなサインでしかなく、クマ棚ひとつで10倍以上の行動を予測できるからである。
こうした現実を見て知って、その個体数を想像して欲しいのである。
写真上:伊那山脈からみた南アルプス塩見岳。撮影地の足元からずっと奥の南アルプスまで、ツキノワグマはまんべんなく多数が生息している。
写真中:左がクルミの木。右がナラの木。人家もない「奥山」といわれるところだが、生々しいクマ棚が多数みられる。
写真下:矢印部分はすべてクマ棚。双眼鏡でこうしたクマ棚を見ていると、熊の歩くコースまで手に取るように見えてくる。




こんにちは。面白く興味ある記事ばかりだったので、書き込ませてもらいました。
僕は広島に住んでいますが、広島県での今年度の熊の捕殺状況に胸を痛めております。今年は11月末時点で142頭捕殺されており、過去最高だった2004年の倍の数が捕殺されました。西中国山地は、ツキノワグマの生息地としては最西端となりますが、このままではこの地域のクマは絶滅するのではないかという危惧を持っています。
僕も宮崎さんと同じように、中立な立場から真実を知りたいと思っています。害獣として処分されるのもやむを得ないのもわかりますが、何故このようにクマが出没するようになったのか、その原因を解明することが必要だと思います。そして、できればこのようなクマと人間の不幸な関係を改善できればいいと思っています。
広島には細見谷というクマの聖域があるのですが、今大規模林道建設をめぐって争いがあります。僕は、この建設には反対です。原生の状態にある環境を破壊することになるからです。手を入れてはならない場所はあると思います。
僕は、細見谷でたくさんのクマ棚を見ました。樹洞や熊の爪痕もみました。
でも、ここに限らず県内の出没多発地域についても調べてみようと思っています。
もし良ければ、熊棚を発見することで、どのような熊の行動を想像できるのか教えてください。よろしく御願いします。
OOツキノワグマ研究会の学習放獣は、僕も問題視しています。この広島にある団体をどうにかしたいものです。
とはいえ僕はツキノワグマについては、最近興味を持って、いろいろ調べている段階なので、実態は理解していません。もちろん只の一般人です。宮崎さんのような先駆者にいろいろご教授いただければ幸いです。
コメント by poi — 2006/12/26 火曜日 @ 21:49:23
先生の書いたとおりです。安曇野市のアルプス国営公園を少し奥にいったらクマ棚がすずなりでしたわい。こんなにたくさん見たのも初めてで、少しぞっとするくらいです。
コメント by いなかもん — 2006/12/26 火曜日 @ 21:52:31