今年のツキノワグマは餌不足…というけれど
今年(2006年)のツキノワグマの出没はすざまじいものがあった。
これに対して、ドングリやブナが奥山で不作だから餌不足になったクマが里へ出てきたのだと異口同音に叫ばれた。
そして、これを誰もが信じたから、餌がないクマは「かわいそう」だ、ということになってそれ以外の異論はでてこなかった。
また、それ以上に発想をかえてクマの現在値を見てみようとする人も、いなかった。
しかし、ボクはもう少し詳しく調べて考察しなければならないと思っていた。
ドングリ=餌不足だけで片付けてしまって、いいのだろうか、と?
ツキノワグマの食事メニューは200種類も300種類もあるなかで、ドングリはそのうちの一種類でしかないからだ。
ほんとうにドングリが不足していたのなら、ツキノワグマはやせ細っていていい、ハズだ。
ところが、ボクの無人自動撮影カメラに写されるクマたちはどれもが丸々と太っていた、からである。
だから、猟師たちに撃たれたクマを積極的に確認する必要もあった。
実際に毛皮を剥いで、肉質から見届けていくことが、ツキノワグマのいま=現在を語るのに大切なこと、だからである。
ボクは、秋以降10余頭のツキノワグマを実際に確認してみたが、なんと脂が分厚く山のように乗っているではないか。
これが餌不足なら、クマに脂も乗れないハズ。
今年のクマは、充分に「餌」を食べていたのである。
その証拠に、猟師にとってもっとも金になるクマの「胆のう」はおしなべて親指の先ほどしかなかった。
胆のうが小さいということは、消化液の分泌に忙しいから、大きくなれないのである。
これは裏を返せば、それだけクマが餌を食っていた、ということである。
少なくも、長野県伊那谷のツキノワグマに関しては餌不足だったとはいえない、のである。
猟師いわく、
『イノシシは脂がなく痩せていて売り物になんねぇ、や。
しかし、クマは木に登れるからこんな年でもちゃんと脂が乗って太っているんだよなぁー。
だっけどよぅ、クマは肉じゃあ金になんねぇから犬の餌代もでねえ、よ。』
猟師にとっては、痩せていたほうがクマの「胆」が大きいから、歩留まりがいいのである。
写真上:体重60kgのクマなのに、こんなにも脂が乗っている。
写真下:脂の厚みは8cm。これは、スゴイことなのである。



初めまして。
私は狩猟をしていますが、四足(大物)では無く羽物(鳥)が専門です。
しかし、たまには大物の助っ人に入ったり、ヤマドリ猟で山に行きます。
参考になるかどうか判りませんが、猟師として感じた事を書き込みます。
故郷群馬も、クマ被害が大変な深刻な問題になっています。
確かに餌不足なら、痩せていてもおかしくありません。
しかし、痩せたクマなどいません。
人里に下りてきた理由に一つ思い当たるふしがあります。
圧倒的に奥山に雑木が少く、檜や杉といった黒木ばかりです。
一方、クリやドングリなの木は人里近くに多く、木の実の不足も手伝って、下に降りてきたのたど思います。
本来ならば、奥山の木の実などの食料で足りていたのだと思います。
後は、生息数も増えてきたのかと思います。
ほとんど天敵のいない動物ですから、これから猟師の減少に伴って、大物が増えてくると思います。
自然保護や野生動物との調和を考えるのであれば、実際その場所(生息場所)に行って見て、現状を把握してもらいたいものです。
杉や檜の植林も良いですが、野生動物達の為の植林もすべきだと思います。
余りにも人間勝手な発想が多すぎます。
何とかの専門家とか言う人に、世間は騙されすぎです。
もっと沢山語りたい事がありますが、長くなりますので、期を改めさせて頂きます。
コメント by 上州羽物クラブ — 2006/12/11 月曜日 @ 14:12:50
ブ厚い背脂ですね。
ウミガメでは8cmはなかなか
お目にかかれません。
コメント by masa — 2006/12/11 月曜日 @ 17:03:41
背につくところが、単なる肥満との違いでしょうか?
腹の脂なら、自信あるのですが。
コメント by 小坊主 — 2006/12/12 火曜日 @ 8:24:59