ツキノワグマが動物園にやってくる理由は…
岩手県盛岡市の動物園にツキノワグマがやってきたというニュースは、面白かった。
どこが面白いかといえば、「まさか」と予想してなかった人間たちの驚きぶりがオモシロかったのである。
ツキノワグマは野生動物だから、動物園になんて来ないものと安心しきっていた人間たちの無関心さがオイラにはめちゃくちゃ面白い、のである。
ツキノワグマの行動や習性を知らない人には説明しても分からないだろうが、熊は動物の臭いが好きだからである。
動物の糞尿や体臭が好きだし、これを嗅ぐと妙に落ち着くからである。
そして、ついでに、餌となるものがあれば頂戴していくというのが野生のツキノワグマの行動だから、動物園にかぎらず、養鱒場や養鯉場、養鶏場、養豚場、養牛場…など、動物が飼育されている周辺には必ず関心を示してやってきているのである。
その事実を目撃できていないだけのことであって、今回はたまたま目撃したから騒ぎになったというワケである。
なので、今後も意識して観察していれば、ツキノワグマは必ず再びやってくることはまちがいない。
これはなにも、岩手県だけの問題でなく、全国的にも当てはまることなのである。
そもそも動物園や公園は広い土地も必要だし、緑濃い自然環境のいいところに併設するものである。そして、その環境は野生動物たちの行動ルートにつながっているところが多いので、そのような立地条件をわれわれ現代人は視野にいれながら把握しておく必要があるからだ。
長野県でも、遠い岩手県でおきたツキノワグマ騒動だと安心しているところがあるのかもしれない。
しかし、飯田市にある市立動物園、松本市にあるアルプス動物公園、長野市の茶臼山動物園、須坂市の市立動物園は、現実にツキノワグマがいつ現れてもおかしくない立地条件にある。
いや、目撃されてないだけで、日常的に近所を徘徊している可能性は充分にあるといえる。
これら4つの動物園には実際にオイラも出かけているので、周辺環境がどうなっているかはよく知っている。
その上で、ツキノワグマの行動習性の視点で環境を見直せば、まちがいなく熊の徘徊コース上にあるから関係者は注意しておく必要があろう。
現在のツキノワグマは、素人さんが想像する以上に個体数が増えてきているので、今後はそうした環境をきちんと把握しながら私たちがどう対処していくかといったところにきているからである。
これまで日本の自然環境を甘くみて呑気に構えてきた現代人への反省点として、今回の動物園へのツキノワグマの出現はいいキッカケづくりとなったのではないか、と思っている。
写真:安心している現代人の心理をツキノワグマも笑っている。
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数年前、飯田市の某公園に熊が出た話を、公園スタッフから聞きました。
飯田市ったって遠山なぞではない、市街地です。
親からはぐれたらしい小熊で、すぐ猟友会が出動して殺処分したそうです。
表沙汰にはしなかったのだけれど、すぐ隣は住宅地で、小学校も近い所です。
住民達にはちゃんと注意を呼びかけたのかなあ、と今も心配しています。
コメント by あーる — 2010/7/16 金曜日 @ 20:18:31
飯田市立動物園まで川沿いに直線距離1.6kmまで来てますね。
広報などで注意してましたが、その後どうなったかは知らされていません
山へ逃げ帰ったかと思いましたが・・・。
コメント by 北割 — 2010/7/17 土曜日 @ 14:27:55
■あーる さん
飯田市の某公園には日常的にクマが来ていますよ。
野球グラウンドと駐車場の間が、クマの通り道になっています。
知らぬは市民ばかり。。
■北割 さん
あそこは、夜間になれば交通量も少ないし、確実にクマが歩けます。
暗闇の黒い熊なんて、人間の目では見つけられません。
ましてや、足音もまったく立てずに歩ける熊ですから…
コメント by gaku — 2010/8/3 火曜日 @ 19:26:46
こんにちは。子供の頃、宮崎さんの「けものみち」が一番大好きな本の一つでした。
話は変わりますが、私の地元高森町山吹でも今年はツキノワグマが市街地の至る所で目撃されております。6月に山吹保育園〜高森北小学校の横に真っ昼間から熊が出没し、大騒ぎになっておりました。町では、住民に対し、ラジオや鈴を携帯して外出してくださいとしきりに放送しておりました。町中にまで出没する熊がは生活音にはかなり慣れておりラジオや鈴などでは全然意味がないように思います。
また、先日はうちの近所で、ミツバチを飼育している人が、巣箱を見に行ったところ、熊に遭遇したそうです。熊の個体数が増えているという点、非常に同感です。私は渓流釣りが趣味ですが、川沿いは熊との遭遇率が高いため、恐ろしく、山奥に入れなくなってしまいました。
コメント by HOJO — 2010/8/4 水曜日 @ 1:26:24
先ほど、コメントしたのですが、自己紹介を省略してしまいましたので、追記させていただきます。私は、長野県下伊那郡高森町に一年の半分を、残りは海外で生活しております。趣味は、茸採り、山菜狩り、渓流釣りです。実は、今年の6月に地元の渓流に行きましたところ、超至近距離で大型のツキノワグマと遭遇しました。
http://specialityteas.blog53.fc2.com/blog-entry-634.html
私は山で遊ぶのが日課なくらい、山が好きで、宮崎さんがフィードとされている片桐松川ダム周辺の山も含め、頻繁に出かけておりましたが、熊に遭遇したのは今回が初めてでした。忘れることのできない凄まじい恐怖を味わって以来、暇さえあれば、熊に関する記事を探しては読むようになり、今回たまたま宮崎さんのHPを見つけた次第です。
私は幼少の頃から動植物が非常に好きで、それを知ってか、知り合いの人から、宮崎さんのサイン入りの写真集をいただきました。当時は小学生だったのですが、その後、数十年にわたり写真集を所有しております。今回、宮崎さんのHPを見つけられ、懐かしいような嬉しい気持ちです。過去の記事にはすべて目を通させていただき、熊に関する様々な知見を、興味深く読ませていただきました。大変、貴重な知見をインターネット上で公開されていることに敬意を表します。今後も益々ご活躍されますよう、陰ながら応援しております。
コメント by HOJO — 2010/8/4 水曜日 @ 3:37:25
学様、
実名を出して質問させていただきます。
野球場は今宮球場のことでしょうか?
緑はとても深いところだけれど、周囲はものすごい数の住宅が建ってるじゃないですか!それなのに誰も見てないなんて、みんな何見て暮らしてるんでしょう。
コメント by あーる — 2010/8/4 水曜日 @ 13:01:33
■HOJO さん
>町中にまで出没する熊は生活音にはかなり慣れておりラジオや鈴などでは全然意味がないように思います。
そのとおりです。
短期間で世代交代を繰り返している野生動物たちですから、いまの時代をどんどん受け入れて行動するものがすべてですからね。
>先日はうちの近所で、ミツバチを飼育している人が、巣箱を見に行ったところ、熊に遭遇したそうです。
ミツバチ飼育ブームは大問題をはらんでいますので、近々ここでも書きたいと思っています。
>今年の6月に地元の渓流に行きましたところ、超至近距離で大型のツキノワグマと遭遇しました。
ブログ記事拝見しましたが、まさに危機一髪でしたね。
事故が起きてもまったくおかしくない状況でした。
伊那谷では、車から一歩脚を出した瞬間にクマの存在を意識できなくてはいけない状態ですから、今後も充分にご注意ください。
>大変、貴重な知見をインターネット上で公開されていることに敬意を表します。
ありがとうございます。
まだまだ、いっぱいテーマがありますのでボチボチやっていくつもりです。
■あーる さん
>野球場は今宮球場のことでしょうか?
いいところに気づきましたね。
「となりのツキノワグマ」に、風越山にいかにクマがいるかといったそのヒントが写真入で出てますよ。
コメント by gaku — 2010/8/5 木曜日 @ 12:49:37
はじめまして
私は去年まで秋田県の研究機関に所属していまして、
アカネズミの研究をしていて森の動物については少しは詳しい
と思っていたのですが、がくさんの本を読んで、
確かに研究者って肝心なところ見てないと感服しております。
さて、この件について遅ればせながらコメントさせていただきます。
去年、秋田の動物園にも山形から来たニホンザルがサル山に乱入する
ということがありました。
その個体はサル山のみんなに攻撃されてみるも無残な姿になった
ということです。
関係ないかと思いますが。。。
コメント by アカネズミ — 2011/7/6 水曜日 @ 15:14:16
■アカネズミ さん
はじめまして、「アカネズミ」をどのように研究されていたかに興味がありますが、
「フクロウ」を観察しているとノネズミのことがほんとうによく分かります。
そして、ノネズミを通して自然界全体のことまで。
ボクは、そうした「環」の「境」を見て知って喜んでいくことが好きなんです。
コメント by gaku — 2011/7/8 金曜日 @ 6:58:10