なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2006/11/17 金曜日   ツキノワグマの撮影

意味のない「学習放獣」のツキノワグマ

目光り

昨夜の中央アルプス山麓の気温は4度。

車の窓を開け放してツキノワグマを観察するにはなかなかに寒く、新調したばかりの厳冬期用シュラフでちょうどよかった。

11月に入って寒さがましてくると、経験を積んだ大きなツキノワグマたちは冬眠穴付近に移動したらしく、無人撮影カメラに写る確率がめっきり少なくなった。

しかし、中型ないしは小型のクマたちは相変わらず出現しては、ボクのカメラをぶん殴っていく。

そこで、近所の養魚場にツキノワグマが出現しているのでそれらの観察にでかけた。

養魚場は立ち入り禁止なので、公道の一部に観察ポイントがあるから、そこから見張った。

21:42

動物の気配にサーチライトをつけると、中型のツキノワグマが池の縁を歩いていた。

ツキノワグマの視線は、ずっと水の中に注がれているから、池のなかの魚を狙ってやってきたのである。

その証拠に、ときどき両手をザブンと水につっこんで魚をつかもうとするしぐさが何回か目撃できた。

そんなクマを7×50の双眼鏡でみれば、右耳に赤いタグが付いているではないか。

その大きさからして、昨年ここで捕まり、タグがつけられて「学習放獣」されたメスである確率がたかかった。

なぜならば、赤タグをつけた個体は3頭いるが、子連れの母熊は1週間前に近くで捕殺されたという情報がはいっているからである。

もう1頭は、巨大なクマだから、ここに出現しているものとはあきらかに別個体だということがわかる。

実は、この個体は昨年の夏に学習放獣されたが、この場所を離れずにずっといることは分かっていた。

この個体には、学習放獣がまったく効果をみせていないのだが、捕獲檻にかからないところをみると、檻の危険性だけは「学習」しているようだ。

ちなみに、カウベルをならしてみたが、100m先の夜のクマにはまったく通用せず無反応だった。

さらには、大きな甲高い声とクラクションを何回も発してみたが、これにも知らんぷりだった。

このあと、小型のツキノワグマがやってきて同じように池のほとりを歩き回っていた。

そして、12時ちかくになって、真黄色の冬毛に変身したテンがやってきた。

寒いけれど、夜間観察はこれだからオモシロイ。

写真:サーチライトに目が青緑色に輝いた。シグマ120-300F2.8という明るいレンズでやっとこの写真は撮れた。それでもシャッター速度は1/10秒だった。

(from/ gaku )

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2 Comments

  1. ツキノワグマもそうですが、野生動物の学習能力は現代の人間よりはるかに上だと思います。
    一見、快適な環境にある人間の感覚は退化するばかり。。。。

    Comment by もくべえ — 2006/11/18 土曜日 @ 0:51:52

  2. NPOとか研究会の目的とは
    違うところで学習放獣の効果が
    着々と、、、?

    TVでも発信機をつけたクマがすぐ
    舞い戻っている所は映像として
    放送されていましたが、
    NPOの説明とかオチはありませんでしたね。

    Comment by masa — 2006/11/19 日曜日 @ 6:01:53

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