なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2010/3/16 火曜日   ツキノワグマ日記

隠密行動するツキノワグマの動きを想像するには…

いつも思うことだが、ツキノワグマはほんとうに行動予測がつかめない動物だと思う。
足跡も、痕跡も残さず、それでいて「けもの道」にはちゃんと着実に出現してきているからだ。
だから、無人自動撮影カメラによってどれほど彼らの黙して語らない行動軌跡が見えるようになったことだろうか。

もちろん、「けもの道」を無人自動撮影カメラが狙っていると、ツキノワグマ以外の動物たちも写る。
これまで、ツキノワグマだけをピックアップして見てきたが、クマ以外の動物たちの動きを知ることによって自然界全体がいかに沈黙しながら、しかし確実に動いているのかということも分かってくるからである。

ここに濃縮した写真を見てもらえばわかるが、ここにはリス、サル、カモシカ、イノシシ、テン、タヌキ、キツネ、アナグマ、犬、などが写っている。
こうした動物たちが撮影される頻度や時間帯などを分析していくと、動物たちは確実にそして大胆に行動していることがよく分かる。
しかし、これらの動物たちがどんなに撮影されていても、果たしてどれほどの確率で目撃できたり、出会えているのだろうかと考えてしまう。
これが、意外と見えていないもの、だからである。
それなのに、彼らもまた着実に行動しているのだから、それが自然界という世界なのである。

ツキノワグマ以外のこれらの野生動物たちの動きも同時に知ってみると、私たち現代人はいかに野生動物たちの行動事実を知らないまま、目撃してないのに「見たこと」のあるような表現をしてしまっているのだろうかとあきれてしまう。
そのくらい、現実を目撃していないことにも気づくし、いい加減な意見が独り歩きをしていることにも気づくからだ。

やはり、「黙して語らない」ということは、このようなことを言うのだろうと実感するものだ。
もっとも、この現場を無人カメラが見張ってすでに3年目に突入しているが、ここはツキノワグマのメインストリートになっていることだけは確かである。
他の野生動物より圧倒的にたくさんのツキノワグマがここを通過しているからだ。
こうしたツキノワグマの動きと、他の野生動物たちの動きを比較しながら、自然界全体の動きを見届けていくことも大切なこと、だと思う。

写真上:中型の毛並みのすこぶる美しい個体が深夜に通過していった。
写真下:ツキノワグマを語るにも、周辺に生息している野生動物たちとの出現頻度との照らし合わせもできるから、全体を予測するにも楽しく実感をもって見ることができる。

(from/ gaku )

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