すざまじきツキノワグマの密度
昨日は小雨の中をカメラ点検にフィールドを歩いていた。
林道へ停めたボクの車を見つけて、隣村の村役場の職員がボクを追いかけてきた。
2ヶ月ほど会ってなかった職員だから、クマの情報を入れるためにボクを探していたようすだった。
聞くところによると、ボクのフィールドでその職員本人も親子熊に最近襲われて恐ろしい思いをしたそうだ。
さらには、知り合いの別の職員も襲われて手に軽傷を負ったらしい。
いずれも、10mほどの近距離でツキノワグマと遭遇すれば確実に襲ってくることがわかった。
そして、これ以外にも目撃例はたくさんあった。
それなのに、毎日のようにボクはフィールドへでかけているのに、ツキノワグマとの遭遇がないのが不思議だった。
もっとも林道で車を停めたところから、ボクは甲高い大きな声を林に向けて発している。
クマはどこにいてもおかしくないので、とにかく細心の注意を払って入山していることは確かだから、ある距離でボクの存在をツキノワグマが認めれば遭遇を避けているものと考えている。
しかし、油断はできないので、数歩進んでは周囲に気配りをする毎日だ。
それにしても、無人撮影カメラの記録から追っても、すざまじい密度でツキノワグマが生息している。
そのために、ボク自身としても緊急調査をしなければならない。
とにかく個体識別をするためにも、ツキノワグマに自動的に塗料をつける装置を開発しなければと思っている。
また、雌雄の判定をするための自動撮影システム。
さらには、体高を測る装置も必要だ。
揮発性物質にも興味を示すことから、そのような行動的調査も視野にいれている。
まだまだ企業秘密となるアイデアもたくさんあるから、それらは順次時間をかけて開発していくつもりだ。
このような調査に関しては、どこからも資金的援助は受けていないので、独力でやっている。
だからこそ、発想力も豊かになりアイデアも無尽蔵にわいてくる。
ボクにとっては、アイデアを出して実行していくプロセスが楽しいから、ツキノワグマという未知なる野生動物に自分自身の「技術」をぶつけているだけなのである。
写真:記録装置をとりつけた角材をクマが齧った跡。体毛が付着し、手垢と口臭が不気味さを誘った。


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