ツキノワグマのドングリ定食
中央アルプスの標高1300m地点。
この付近は、毎年10月上旬になるとツキノワグマが活発に行動しはじめる。
ミズナラのドングリを食べに来るから、だ。
ツキノワグマといえば「ドングリ」が大好物で、ドングリしか食べていないと思われているところがある。
それも、茶色くなって地上に落ちているドングリを食べているものと思い込んでいる人も多いものだ。
しかし、ツキノワグマが食べるのは、まだ落下しない青いドングリである。
そのドングリのちょうどいい食べごろにやってきて、木に登り、数日で移動していくのがこの時期でもある。
そうした場所が中央アルプスには何箇所かあり、ツキノワグマは毎年確実にこれらの場所を見回ってもいる。
今年もそろそろその時期がきたと思って出かけてみたら、昨日やってきたばかりの痕跡にであった。
ミズナラの木に登って、枝を折り、青いドングリを樹上で食べていったからだ。
地上にはそうしたときに落ちた小枝が派手に点在し、二つ割れしたドングリの皮が無数に落ちていた。
こうした痕跡を見て思うことだが、青いドングリはジューシーで美味しいのだろう。
ためしに青いミズナラのドングリを採って口に入れて奥歯で噛んでみたら、ドングリの皮がみごとに二つ割れをして中身だけが口のなかに転がりでてきた。
こうしてツキノワグマはドングリの中身だけを食べて、皮は吐き捨てるのだ。だから、地上にドングリの皮だけが無数に落ちているのである。
このためクマの糞にはドングリの皮が含まれずに、見事に消化された独特な「ドングリ糞」となる。
写真上:ミズナラのドングリが樹上で食べられることなく落ちていた。
このような現場には、すぐにイノシシがやってきて拾っていくことが多い。
写真中上:まるで嵐がきたみたいに、ミズナラの枝が荒れ落ちていた。
写真中下:見事にドングリの皮が二つ割れをしている。
写真下:脱糞してから木に登ったが、その糞の上に偶然にも樹上からドングリの皮が落ちて乗っていた。





某動物愛護団体が進めている「ドングリ集め」について、どう思われますか?
この場合、集めたドングリに人間の匂いが付いてしまい、結果的に「人間の餌付け」になってしまうという指摘もありますが、如何なものでしょうか。
コメント by オキキリムイ — 2006/10/31 火曜日 @ 14:57:43
>某動物愛護団体が進めている「ドングリ集め」について、どう思われますか?
ボクが見ているツキノワグマをはじめとする自然観とは次元が違いすぎますので、コメントはできません。
>結果的に「人間の餌付け」になってしまうという指摘もありますが、
「餌付け」の定義をしっかり考えましょう。
稲作や畑、牧場などの現場でも野生動物にはしっかり、「餌付け」となっています。
コメント by gaku — 2006/11/1 水曜日 @ 18:16:18