なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2009/7/8 水曜日   ツキノワグマ日記

雨天決行のクマ穴探し


中央アルプス山系にツキノワグマの巣穴があり、それを知っているという老人がいた。
30年前のことだが、案内してくださることになった。
老人は冬眠中の熊を確かに目撃しており、その後その山はパルプ用材に皆伐されたという。
しかし、ひょっとしたら冬眠用の大木だけは切られずに残っているかも知れないということだった。

なにはともあれ、30年前の現場だけでも見ておきたかったので老人と、さらに情報をいれてくれた知り合いの山岳好きのアマチュアカメラマンと3人で出かけてきた。
梅雨の季節でもあり、あいにくの雨模様。
合羽を着ての、片道5kmにおよぶ沢登りだった。

結果は、30年前と現在との山容の落差がはげしく、現場までたどり着くこともできなかった。
伐採の後には、背丈が2mもあるクマザサが猛烈な勢いで繁茂してしまって、まったく身動きがとれない状況だったからである。
クマザサの勢いにはすざまじいものがあり、このタケノコがツキノワグマの餌にもなっていれば餌不足なんてことはまったく考えられない状況にある。
そんなことを考えながら、いちばん条件の悪い時期に山歩きをしてしまったことを後悔した。
次回は、見通しのきく冬か早春に再度ここを訪れることにしたい。


雨で全身がぐちょぐちょに濡れてしまったが、楽しい山歩きでもあった。
このような天候での山歩きは野生動物も警戒していないから、クマザサから突然に熊の親子が出てくる可能性もある。
そこで、危険を避ける意味でも、定期的にこちらの存在を知らせる大声を発しながらの山行は緊張もした。
しかし、それだけに行き先の様子を探るという思考も働くから山の地形を理解するにはいい体験でもある。
そして、何よりもの収穫は源流のどこまでもイワナの魚影が濃かったことである。
次回は、熊穴のことよりも、イワナ釣りに来てみたい気分でもあった。

写真上:熊はどしゃぶりの雨でも平気で活動する。
写真中:こんな大木の痕跡がいたるところにあった。
写真下:どこの山も、猛烈にクマザサが繁茂してきているのが現在の山の状況となっている。

(from/ gaku )

コメント&トラックバック

3 件のコメント »

  1. 皆伐後30年というと、ちょうど、若い林が、育ってきたところでしょうか。山勘では、直径15cmくらいの。

    山に分け入るには、確かに、見通しの悪い時期ですね。
    雨と汗でびしょ濡れも、意欲を削ぎますし、何より、クマザサの中を漕ぐのは、本当に、大変です。

    コメント by 小坊主 — 2009/7/11 土曜日 @ 19:03:33

  2. 雨と川の傍は匂いと音を消しますから緊張しますね
    近くでパキッと音がしただけでゾッとします、でも魚影が濃いなんて
    魅力たっぷりです。

    コメント by 北割 — 2009/7/14 火曜日 @ 22:52:35

  3. 伐採されて30?50年という山はほんとうに元気になってきています。
    奥山が荒廃なんてこと、まったくありません。
    木を見て、山を見て、ツキノワグマの生態を見る、です。

    あの川には、アマゴはいませんでした。
    水温が、低いからだということ、です。

    コメント by gaku — 2009/7/17 金曜日 @ 17:50:03

このコメント欄の RSS フィード トラックバック URL

コメントをどうぞ

※初めてコメントする方は簡単に自己紹介をお願いします

お名前:

Email:

Website:

このブログへの訪問者