ツキノワグマの個体密度を調べる「熊の駅」構想
ツキノワグマは、一体全体何頭生息しているのか?
やはりボクは、そういうところに興味がある。
研究者でもクマ専門家でもないけれども、これは自然界の報道写真家としての自然に対するボク自身のこだわりでもあるからだ。
そこで、自分自身の撮影技術とこれまでの自然観とを照らし合わせていくと、「熊の道」構想にたどりついたのである。
要するに、行動中の熊が必ず立ち寄っていく「駅」をつくり、そこにカメラを仕掛けて個体数把握をするというものだ。
これは、自分の技術で必ずできると考えたからである。
すでに、熊が興味を示す「クマクール」という媚薬をボクは開発してある。これを熊の駅に設置すれば、ドライブ中の人間が「道の駅」に立ち寄るように、周辺の熊がみんな集まってきてくれると考えているからだ。
この計画は数年前から温めていたものであり、そのためにも熊の生態をいろんな角度から探ってきた。
だから、どのようなルートを熊がいちばんよく歩くかということはこれまでのいろんな実験蓄積で充分に分かってきている。
そのためにこの計画を実行するには、山林や農地をもっている地主の許可も得なければならず、ここ半月ばかりを地主さんまわりに時間をとられてきた。
嬉しいことに、すべての地主さんがこの計画を支持してくれた。誰ひとりとして、反対者はいなかったからである。
ボクはこれまで、日本のいろんな野生動物を観察し撮影してきて、それなりの実績もつくってきた。
その裏には自分自身の独特な自然のヨミがありそれが外れることがなかったから、黙して語らない自然界を相手に短時間のうちに多くの仕事ができたと思っている。このため、自分自身で描いた構想はそれなりの技術的裏づけがあるから必ず成功すると信じている。
だからそんな体験から、ツキノワグマは確実に増えてきているとボクは思っているのに、世間では減っているという意見が支配的である。
それは裏を返せば、それを調べる技術を持ち合わせていないヒトばかりなのだと気づいた。
ならば、自分のためにも個体密度を自分自身で立証するしかないと考えた。
そんな思いを地主さんたちにぶつけると、
「あんたの仕事はずっと見守っている、俺の山でよければ何をしても構わないから使ってくれ。
ワシがもっと若かったら、宮崎さんに弟子入りしたかった。
山を勝手に使う人はいるけれど、カメラ設置のためにわざわざ菓子折り持って来てくれたんかぁー、あんたも堅いねぇー、いいからどんどん山を使えー ずっと使えぇー。
あのへんの山のことなら全部知っているから、誰とでも交渉してあげるからなぁ、何でも言ってくるがいい。
おれは85歳になるけれど、山のヒノキがこんなにも熊害に遭うとは思わなんだ、熊の実態を調べてくれるのなら全面的に協力するで、なぁー。」
こうした地主さんたちに支えられると、ボク自身ほんとうに力が湧いてくる。
写真:この風景のなかにもいくつもの熊ルートがあるから、地主さん探しも大変だった。
また、イノシシ檻がどこにあるかも知っているが、イノシシより熊のほうが多く入る場所もあり、地形などを見ていくといろんな発見もつづく。
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>誰ひとりとして、反対者はいなかったからである。
これは、とても凄いことです。
世間一般には、自分の近所にクマを呼ぶなんて、もってのほかという意見が大半でしょう。
gaku先生のフィールドの地主さん達は、そのへんの偉い学者さんや愛護団体より、よっぽど自然を見ていらっしゃいますね。
コメント by もっち — 2009/4/27 月曜日 @ 19:24:58
もっちに1票!
・・・なのに「地元の人たちは無知だから私たち自然保護団体が自然の大切さを教えてあげなくちゃいけないの・・・」ってかっ!
コメント by くまがい — 2009/5/2 土曜日 @ 16:50:56
■もっち君
■くまがい さん
黙して語らない自然界には、ちょっとしたひらめきによるアイデアが必要ですね。
どんどんアイデアをだして、実行する楽しみは、まさにネイチャーゲームです私的には。
コメント by gaku — 2009/5/2 土曜日 @ 22:01:17
はじめまして。いつもドキドキしながら読ませていただいてます。
宮崎先生のところよりちょっと南、川の反対側の高いところに越して来て16年たちました。
毎年家から地続きの山できのこをたくさんとりますが、やっぱり怖いです。
まだ熊の気配はないですが、熊話が年々近づいて来ています。10年ほど前には遠くで鳴いていた鹿も我が家の庭までくるようになりました。
クマクールですか、クマコナイが欲しいです。
コメント by あーる — 2009/5/3 日曜日 @ 20:57:35
■あーる さんはじめまして。
>宮崎先生のところよりちょっと南、川の反対側の高いところに越して来て16年たちました。
○○○山の山麓ですね。
あそこには、普通に密度濃く熊がいますよ。ただ、それに気づいていないのが地元民。
夜間、庭になにげに出るときなどは要注意です。
「クマコナイ」
日ごろから熊のことを知り、努力すれば、なんとかなるものですが…
近くに小川でもあれば、シカと熊に関しては楽しく撃退する方法もあります。
コメント by gaku — 2009/5/4 月曜日 @ 12:09:36