耳ピアスのクマたちの行方…
無人撮影カメラを長期間にわたって設置し続けていると、ほんとうにいろんなツキノワグマたちが写る。
とにかく、無人カメラは時間をかければかけるほどに成果があがるからだ。
なので、ボクは、数年間というスパンで同一地域を見張ることを心がけている。
そこで気づくことは、ツキノワグマがとにかくたくさん生息しているという事実である。
なかでも、耳にタグをつけているクマが撮影されるから、個体識別にはたいへん具合がいい。
耳タグが付くということは、それだけ捕獲もされているという事実でもあり、ツキノワグマが絶滅を危ぶまれるほどに減少しているということでもないことを裏付けてもいるからだ。
そんな耳タグ付きのクマが撮影されるも、1年以上にわたって永続的に記録されることはまずない。
しかるに、ここにお見せしているタグ付きのクマは、現在のところ1頭も生きてはいないからである。
それは、恐らく、全部がどこかで殺されているからだ。
そのくらい、耳タグなしのクマも含めて、次々に入れ替わっていることが無人カメラの映像からでも知ることができる。
ある噂が、届いてきた。
「ツキノワグマは希少種だから保護しなければならないと県の自然保護課はいう。
だから、捕獲檻にかかったクマはすべて逃がせ…とその自然保護課の職員が、こんどは農政課へ異動してさぁー。
昨日まで保護しろといっておきながら、異動先では『捕獲しろ』、だもんなぁー。
俺たちは、どっちを信じればいいんだぁー。
クマから農業被害や人的被害を被っても、行政ではなんも保証もしてくれないし、助けてもくれねぇー。
通学路周辺にクマは平気でやってきているというのに、行政なんてまったくの無頓着なのさ。
だから、耳にピアスつけていようが、つけていまいが、自分たちの判断で危険なものは殺さなくてはならねぇー。
殺しても、次々に別のクマがやってくるのだから、いったいツキノワグマはどんだけいるのかも分からない。
小中学生が登下校中でも、クマなんてどこに隠れているかも分かんねぇーよ。
そういう事故がいまのところ少ないのも、地域でクマを捕獲しているからだ、よぅ 」
いやー このような生臭い話しが噂で届いてくるということは、かなり殺されていることも確かなのだろう。
少なくも、市町村単位での情報を分析すれば、「保護」という姿勢がかなりトーンダウンしてきていることは確かである。
思い返せば2006年の異常出没以来、イノシシなどの捕獲檻へのクマの錯誤捕獲は相当数で推移しているらしい。
現場では、ツキノワグマの目に見えての減少はまったく感じられない、からである。
もちろん、このことはボクの無人撮影ロボットカメラにも明確に現れていることでもある。
はたして、ツキノワグマは何頭いて、何頭にまで減れば絶滅への道をたどるのか…。
何頭以上になれば、余剰分を捕殺してもいいのか…。
こうしたことを明確に出そうともしないまま、ただ「保護」だけを唱えつつ耳タグつけて再放獣しているだけのワンパターンな行政の姿勢では、地域住民の納得は得られないだろう。
加えて、動物愛護団体の無責任な発言や行動は、ツキノワグマ生息地で暮らしている住民たちからは何も支持されていない。
だから、ボクのカメラに撮影されるピアス付きのモデルがどんどん入れ替わっていくことにも興味があるし、いろんな大きさの子供を連れた親子が次々に記録されていることも含めて、現実の自然界の動きとそれを探ろうとしない現代人の心の怠慢のギャップを知る意味でも実に面白いことだと思っている。
野生の生命が殺されていくことには忍びないが、いったいツキノワグマがどれだけ生息しているのだろうかという未知なる数字にもボクは興味がある。
なので、ここはやはり中立的立場で、現在の人間の心理も含め、いまある日本の自然界の現実を静かに見届けたいと思っている。
写真:耳タグの番号までときには読み取ることもできるから、これらのクマたちとの再会を楽しみにしている。
しかし、殺されてしまっていれば現実的にそれも不可能なのかもしれない。
トラックバック URL :



ここでは初めてのコメントです。宮崎県日向市の山の中、標高20m、市役所から車で10分で、自宅脇の渓流沿いの上流に他の人家はありません。田舎のようなそうでないような、最近は赤いベストの人たちが軽4輪に猟犬を連れて行ったり来たり、時々銃声も聞こえてくる場所に住んでいます。よろしく。
九州山地では熊が絶滅していないようですので、熊の話題ではありませんが、gakuさんのコメント(ただ「保護」だけを唱えつつ耳タグつけて再放獣しているだけのワンパターンな行政;動物愛護団体の無責任な発言や行動)に全面的に共感しています。
私の周囲では、5月からはじまる産卵期に上陸産卵するアカウミガメの卵を毎日せっせと掘り出して台風の波が届かないような(卵の健全な発生にはおそらく不適当な)場所に移植するという、ウミガメから見たら「大きなお世話」をするような「愛護団体」があって、ウミガメを「天然記念物」に指定した行政のお墨付きと涙金をもらっています。他の某所などのように人工孵化場を造って孵化した仔ガメを放流することで稼いでいる団体よりはまだましですが、気象動物保護という美名?を隠れ蓑にして、愛誤団体に現場の保全を丸投げして視察もしない、その成果のチェックもやらない、お役人達の姿勢、そして地域住民の無関心、という構図は熊の置かれた状況とよく似ています。
コメント by beachmollusc — 2008/12/21 日曜日 @ 9:14:44
■beachmollusc さん
こちらでも、ハッチョウトンボだけを守るために、オニヤンマやシオカラトンボのヤゴ、アカガエルの卵を駆除している愛護団体があります。
これこそ「愛誤団体」ですね。
「愛誤」とは、いい表現です。
ボクも、これから使わせていただきます。
コメント by gaku — 2009/1/14 水曜日 @ 11:40:55
・・・俺も使わせてもらおう!
コメント by くまがい — 2009/1/14 水曜日 @ 18:02:56