ツキノワグマ無人撮影カメラが危機一髪
雨脚が若干弱ってきたので、無人撮影カメラの様子を見に行った。
カメラは3台設置されているが、最後に行ったツキノワグマ調査カメラがタイヘンなことになっていた。
濁流に洗われて、流失寸前だったからだ。
大急ぎでこの写真を4枚撮影してすぐにカメラ救出を試みたが、目の前でセンサーが流されていった。
しかも、ここには普通車用のバッテリーを4個電源に使っていたが、あの重いバッテリーがあっというまに2個流出。
配線コードを何本か大急ぎで引きちぎり、まずカメラを高台へ避難。
そのあとバッテリー2個とストロボアンプも、救出。
三脚はそのままにしようと思ったが、足元が洗われてグラグラしてきたので、これも引き上げた。
ここまでやった段階で、濁流がさらに強くなってきたので、ストロボ等残りのパーツを諦めることにした。
濁流の中では私たちの頭ほどの石がゴツゴツと音を立てて流れていたから、膝上まできていた水流を考えるとボク自身の身も危険に感じた。
なによりも数メートルの材木が次々に流れてくるところをみれば、上流でいつ鉄砲水が起きてもおかしくない。
しかも、10m横には普段から水の流れている本流が激流化しているから、そこへ流されれば助からないだろう。
ボクにとっては貴重品の「シグマSD10」カメラを救出しただけでも感謝ものなので、これで良しと考えたほうがいい。
仕事場に戻って、カメラからメディアを取り出し現像してみた。
なんと、そこには大きなツキノワグマが2カット撮影されていた。
データをみると、昨夜の9時40分と明け方4時10分だった。
どちらも別個体のツキノワグマだったが、どしゃ降りの雨でも関係なく、彼らは活動していたのだった。
この2頭のツキノワグマのうちの1頭は、200m離れた別の無人撮影カメラにも写されていたから、ツキノワグマは大雨の中を活発に動き回っていたことがうかがえる。
このように、無人自動撮影カメラは正しく運用すれば、自然界で「黙して語らない」部分の一端を垣間見ることができる。
ただし、今回のような自然災害なども含めて考えると、フィールドに設置しっぱなしにはかなりのリスクもともなう。
センサーなど流失したパーツは、ボクがこれまでの経験から吟味研究してきたこだわりのモノだけに二度と入手できないものもある。失ったものは仕方がないので、流用パーツを考えることにする。
こうしたリスクを乗り越えていかなければ、自然界のサインを読むこともできないからいつまでたっても「想像」という言葉だけで自然を語ることになってしまう。
ボクはそれをしたくないから、こうしてギリギリのところで自分の技術を鍛えることに腐心している。
梅雨が上がったら、またカメラの設置し直しをしなければならない。
写真:設置2年目に突入して順調な記録をつづけてきた無人撮影カメラだが、まさかここが激流に洗われるとは想像できなかった。これは、半世紀に一度の大雨ということなのだろう。


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