なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2008/2/2 土曜日   ツキノワグマ日記

桜公園とツキノワグマ

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冬晴れのいい天気が続いたので、近所の山麓公園まででかけた。
ボクの仕事場から歩いても、たったの20分。
近所なので、ここには時間があれば毎日のようにでかけてもいる。

そんな公園だから、ここの桜の木にツキノワグマが昨年の6月サクランボを食べにやってきていたことは知っていた。
ツキノワグマが枝を折った「クマ棚」があることもわかっていたが、枝葉が混んでいて写真にならなかったので冬がきてから撮影しようと思っていた。
そんな撮影日和だったので、証拠写真を撮りに出かけたのだった。

この公園は、ボクの記憶では1975年には、すでにあった。
桜の木も植えられていたが、1984年に大々的に整備されてさらにいろんな種類の桜が植えられた。
それらの桜が、春になれば順を追って咲き乱れ、なかなかにいい公園になってきた。
とにかく、標高が高いので、平地で花見を終えたあとになってここでは桜が咲く。だから、花をさんざん見飽きているので、ここを訪れる人には感動もうすいようだ。
だが、公園なので、一応は年間を通して人々も訪れている。

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しかし、ここにツキノワグマがきていることは、ボク以外にだれも知らない。
それでいいのだが、夜間にもカップルが訪れたり、ジョギングにきたりする人もいるから、ツキノワグマとの事故が起きないともかぎらない。
だからといって、みんなが無関心でいるところに「ツキノワグマ」がでる場所といって騒ぎ立てるのも、また問題も起きよう。
たぶん、そうなればいくつかの選択肢がでてくるだろう。

■公園だからツキノワグマが出てくるのはけしからん。なので、駆除するべきだ。
■中央アルプスの山麓だから、もともとツキノワグマの棲家なので、事故は自己責任にするべきだろう。
■公園にツキノワグマの餌となる「桜の木」を植えたのだから、別の木に切り替えてしまえ。

と、まあ、少なくともこのような意見は必ずでてくる。

ここで、注目すべきことは、柿を収穫しないまま人里に放置してあるからツキノワグマを呼び込むことになる。
だから、クマが出てこないように、柿の実をもいでしまおう…。
そういって、実際に「柿もぎ隊」が結成されて、ツキノワグマ保護の鏡のようなニュースになったこともある。
このサクラ公園のサクランボも、ボクが考えれば柿の実と同じこととして捉えられるのだが、どうもそういうところには一般認識として到達していないようである。
近年世論も高まっているドングリなど、実のなる広葉樹を植えていこうという運動も、ツキノワグマに対しては柿やサクランボとかぎりなく近いものがあるような気がしてならない。

ならば、どうすればいいものかと考えてしまうのだが、ツキノワグマや野生動物たちと共存をはかるには、地域住民の自然度認識のレベルに関係してくることだろう。
そのためには、この地域に一体全体どのくらいのツキノワグマが生息しているのか。その数が多いのか少ないのかを、まずは知ることだろう。
そのうえで、多いのなら適正な処分も必要だろうし、少ないのなら厳重に保護していくことも必要だろう。
そういうことを誰も調べようともしないし、やれる人もいない。
だからといって、結果がでても一般住民の関心もまったくうすい。
さあ、どうする「サクラ公園」づくり。

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写真上:春には花が美しく咲き乱れても、冬は無関心の景色。2枚ともに同地点からの撮影。
写真中:桜のクマ棚は、冬になると素人目にはほとんど気づかないが、夏にはもっとわからない。
写真下:公園内にクマ棚があっても目につくのは少なく、実際にはほとんどの木にクマが登っていた。
写真下下:公園整備のときの標柱がまだ残っていた。
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(from/ gaku )

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