なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2012/3/28 水曜日   ツキノワグマ日記

熊に「ドングリ撒き」プロジェクト検証実験中 その1

http://tukinowaguma.net/archives/790

2010年12月に、ツキノワグマへのドングリ撒き実験をするとオイラは公言した。
それに対しての賛成やら反対の意見がたくさん飛び交った。
世間のそんな反応はすべて折り込み済みでの呼びかけだった。

というのも、ドングリを撒く当の団体も反対意見を述べる人たちも、誰一人として検証実験などできないと思ったからだ。
ならば、ここは自己犠牲を払ってでも、やれるのはオイラしかいない。
技術的にも、絵コンテ的にも、そんなのは朝飯前でオイラにはできてしまう。
ということで、ドングリの受け入れを願った次第だった。

おかげさまで、全国から関心のあった方たちからのドングリ送付があった。
ありがたいことで、感謝感激だった。
そして、さっそくの実験にとりかかったのだった。

実験といっても、オイラはヘリコプターで広範囲にドングリを撒くようなことはしない。
クマクールの実験場所からわずか7mの位置にドングリをひとかたまりにして置いただけ。
まあ、てんこ盛りというような訳ではないが、こうしてひとかたまりにすることで、そこにやってくる動物たちをピンポイントで見ることができるからだ。
しかも、クマクールにはツキノワグマが複数やってきているのだから、ドングリに関心があれば覗いていくハズだ。
クマが覗けば、サルでこの大きさだから画面から大きくはみ出すことだろう。
ネズミの大きさと比較しても、いかにクマが大きいかもわかるし「絵コンテ」ストーリーとしては完璧にオモシロイ、と思う。

とまあ、このように「絵コンテ」は進んでいたのである。
そして、実験は今後もまだまだ続けていくつもりだが、とりあえずやってきたのはトラツグミとアカネズミとニホンザル、だけ。
トラツグミがドングリを食べるかははなはだ疑問だが、アカネズミとニホンザルはたしかにドングリを食べていた。
ちなみに、このドングリは九州産のイチイガシである。
信州にはないドングリなので、動物たちも「食わず嫌い」があるのではないかと思ったが、どうしてどうしてサルなどは大喜びだった。

検証実験とはいえ、やはり、このようなことをやることは面白い。
動物たちの心理状態まで見えてくるし、こんなに面白いのならこの先もしばらく実験を続けていこう、と思っている。


まず、アカネズミがドングリを拾いにやってきた。


サルが群れで、どどっとやってきて食べるたべる。


九州産のドングリなのに、サルにとっては相当に美味しいものらしい。


サルが引き上げた夜に、アカネズミがドングリを探すも見つからず。

※ ドングリは、まだまだ引き受けています。
引き続きご協力よろしくお願いいたします。

(from/ gaku )

コメント&トラックバック

15 Comments

  1. 先日の新刊「イマドキの野生動物」といい、さすがですね!

    最近は、ナショナルグラフィックなどの写真を見ても、何か物足りない気がしてしまいます・・・(苦笑)

    Comment by もっち — 2012/3/30 金曜日 @ 18:24:30

  2. 熊のため、と思っている動物愛護団体に泡をふかせる1枚でスッキリしました!

    ところで、以下URL先の熊。1分以上もマーキングしています。
    日本の森の中でも熊がいれば同じことが行われているんですよね。
    ちょっと笑える動画です。
    http://www.youtube.com/watch?v=O72jfzVczxQ&feature=youtu.be

    Comment by kana — 2012/4/4 水曜日 @ 8:31:46

  3. ドングリ撒き実験気になっていました。
    どのような結果であれ是非出版してほしい。今までこのような実験をした人は一人もいないし、出来るのは先生だけだから。

    Comment by めだか — 2012/4/5 木曜日 @ 10:26:34

  4. 残念

    2010年12月に、ツキノワグマへのドングリ撒き実験をするとオイラは公言した。
    それに対しての賛成やら反対の意見がたくさん飛び交った。
    世間のそんな反応はすべて折り込み …

    トラックバック by CHAOS‐DIVER — 2012/4/5 木曜日 @ 23:57:25

  5. ■もっち さん
    こういう撮影も、なかなかに発見があってオモシロイですよ。

    ■kana さん
    まあ、ほんとうにクマでもやってくればそれはそれでオモシロイのですが。
    それも、実は密かに楽しみにしているところです。

    クマの「マーキング」URLありがとうございます。
    このクマは、背中がそうとうに痒かったのかもしれませんね!
    やっぱり動画は面白いです。
    日本のクマで撮ってみたい、です。

    ■めだか さん
    このような撮影は、とにかく新しいコトの発見だらけですので実にオモシロイ、です。
    出版できるかはともかく、これからも、まだまだ続けていきますので楽しみにしていてください。
    それより、ドングリが不足気味なんです。
    近畿、中国地方の高速道路のSA内にあるドングリの木にはまだまだ実ってますから、いまでも拾えるところがあります。

    ■CHAOS‐DIVER さん
    「残念」ということは、「期待」していたのですね!

    >熊森や宮崎氏のように自然を私物化して恥じない似非ナチュラリストが

    「私物化」とは、このようなことをいうのですか?
    農地や牧場や山林や水利権や漁業権…などなど、そちらが「私物化」だと思ってましたが。
    ドングリを食べにくる動物たちを見ることは、とにかくオモシロイのでこのまま続行します。
    ネイチャーゲームは誰がどのようにやってもいいと思います、から。

    Comment by gaku — 2012/4/9 月曜日 @ 9:43:56

  6. はじめまして。まったく熊森と変わらない行為を悪びれもなくし、開き直る感性がわかりませんね。
    そもそも本当に熊森へのカウンターになるとでもお考えですか?かの団体が他人の話を聞かないのは明らかですからこの実験にしても「条件が違う」などと言って取り合わないのは明らかでしょう。
    結局のところご自身が述べておられる通り、自然を弄んで悪びれもせずに開き直るという熊森、バサーと何ら変わらないお遊びなわけで。自己陶酔の正当化に実験などと屁理屈をこね、指摘されれば泥棒の理屈で逃げる方は尊敬できませんね。

    Comment by — 2012/4/13 金曜日 @ 23:20:22

  7. ■梨 さん
    オレの考えはこうだからオマエの考えはおかしいとわざわざご丁寧に自分のブログをトラックバックまでして自己主張しながら注文してくるあたりは、自分の意見を他者に絶対的に認めさせようとする傲慢で視野狭窄的な自然保護潔癖症候群のヒトに多いものです。
    熊森に異常粘着するあたりも、その表れ、でしょうか。
    オイラは自分だけの観点でクマと自然を見て楽しんでいるだけなので、熊森も関係なければ、クマを語るヒトたちとも一切関係なく接触もありません。
    なので、どうでもいいヒト様のブログなど見てないしカキコミなんてしません。
    それなのに、ノコノコ土俵に上がってきて「尊敬できませんね」なんていわれる筋合いでもなければ尊敬されるようなこともやってません。
    オイラのやっていることがそんなに面白くなかったら、自分でフィールドに出て野生のクマと格闘すればいいのですよ。
    自分で自然とがっぷりつきあっていけば自然の奥深さも理解できクマを語るのにも自信がつきますから、ヒトサマのやっていることなんて気にもならなくなりますよ。
    そしてなによりも、自然界を的確な視線で見られる目が自ずと育ち視野も大きくなるものですからヒトサマに粘着しているヒマなどなくなります。
    どうぞ自信をもってクマと格闘しましょうぞ。

    Comment by gaku — 2012/4/15 日曜日 @ 9:22:52

  8. 似非

    先日、自称「自然界の報道写真家」の“やらせ”について批判記事を当人のブログにTBしておいたら、以下のようなレスが返って来ました。
    「似非ナチュラリスト」と言われたのが、よ …

    トラックバック by CHAOS‐DIVER — 2012/4/16 月曜日 @ 23:44:43

  9. ごぶさたしてます。

    なるほど、ドングリを撒くといろいろ集まってくるんですね。
    たしかに、その心理状態や思考傾向なんかも読めてきて、興味深くておもしろいです。

    もっとも、私には野生動物の心理は読めないのです、が。

    あえてのドングリ撒きで、様々なことが検証できるのですね。サスガです。

    Comment by stma — 2012/4/17 火曜日 @ 19:17:41

  10. ■stma さん

    お久しぶりです。
    このようなことを「あえて」やってみるのも、やはり新しい発見は続きます。
    「黙して語らない自然界」を探るには、いろんなことを実践してみないとわかりませんから。

    Comment by gaku — 2012/4/20 金曜日 @ 13:54:57

  11. 私は「黙して語らない自然界」は修行が足らないのですが、「黙ることのできない人間社会」なら得意分野なので、動物の心理は読めなくても、ヒトの心理ならそこそこいけるんです。

    だから私も気が付かれないように、得意分野の「ドングリ」を試しに撒いてみたのですが、どうやら「ドングリ」が好物なのはネズミやサルだけではないようですよ。

    「ドングリ」に群がるお猿さんたちはその意図も解らずに、ガツガツとほおばるだけでしょうが、その様子から様々なことが検証できるのですから、これこそが自然界から人間社会を見る視点に繋がるのでしょうね。

    やはり「あえて」というところが、興味深くおもしろいです。

    Comment by stma — 2012/4/20 金曜日 @ 19:02:10

  12. ■stma さん

    >自然界から人間社会を見る視点に繋がるのでしょうね。

    あはは、そのとおりなんですよ。
    ドングリを通して人間を見る…。
    こんな面白いことありません。

    Comment by gaku — 2012/4/21 土曜日 @ 10:19:44

  13. 「イマドキの野生動物」を拝見しますと、ドングリ撒きどころではない餌付けの問題がクローズアップされていますね。

    野生動物だけに限らず、人間社会の問題まで写っていますね。かなり大きな問題であって、そこをテーマとして提起されている事に敬意を表します。

    Comment by プロキオン — 2012/4/21 土曜日 @ 12:20:52

  14. ■プロキオン さん

    ボクの意図を的確に読み抜いてくれていますね。
    ありがとうございます。

    日本列島の過疎化、限界集落、都会人や田舎人の心のギャップ…
    いろんなことを同時発想すると、あと50年後の日本の姿がボクには見事に見えてきてしまうんです。
    すでに、野生動物は「被害者」でなくて「加害者」となってきていますので、50年といわず30年後でも見てみたいものですね、、。

    Comment by gaku — 2012/4/22 日曜日 @ 8:21:15

  15. はじめまして。 埼玉川越の森で遊びはじめて10年の引退爺さんです。 チェンソーアートでフクロウを彫る時、宮崎さんのフクロウの写真集を見て雰囲気を掴もうとしてました。
     熊森の話、以前から色々な見解を見てきましたが実地に検証しないで言葉だけが空転する傾向に危うさを感じてきました。 月に3回水曜に友人をあつめて森の定期清掃をしているのですが、ゴミがゴミを呼ぶと思って始めた遊びですが、ゴミを片付けるからそれに甘えて次のゴミが・・・という人も居ますし、あそこにゴミが捨ててあるよと上から目線で人にモノを言うだけの人も居たりして まあ色々です。

     希少植物を盗掘から保護するのだと言って折角咲いた金蘭の花をむしってしまう不思議な人も居ますし、手に負えなくなってゆく里山の農用林を躾なおす方法を考えることもなく、ただ緑が美しいとのたまう人も居て、話し始めれば際限が無いわけです。
     今朝はじめてツイッターでこのブログの存在を知ったのですが、感想ひとこと(← エラソウにw) やるべし と思い立ったなら、やるっきゃないでしょう。
     展開をみて勉強しますのでよろしく! です。

    Comment by 成瀬吉明 — 2012/5/15 火曜日 @ 8:01:24

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