なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか?自然の変化を鋭く見つめ続けてきた動物カメラマン宮崎学が送る新メッセージ
2012/1/24 火曜日   ツキノワグマ日記

九州「祖母山」のツキノワグマ


昨年(2011年)の暮れに、九州の祖母山周辺を歩いてきた。
秋に、ツキノワグマが目撃されたらしいというニュースがあったから、自分の目で環境だけでも見てみたかったからだ。
こうして、オイラがわざわざ九州まで出かけるのも、目撃情報を100パーセント信じれなかったこともあるが、もしかしたらツキノワグマが生息しているのではないかといった半信半疑の気持ちを確かめるためでもあった。
オイラは祖母山そのものを知らないし、とにかく、現場環境を自分なりに見ることで気持ちをすっきりさせたかった。
ちょうど、九州に講演があったものだから、ならばこの機会に現地を訪れてしまおうと考えたのである。

いや、祖母山は想像以上に険しい山だった。
裾野は広く、急峻なのである。
山のカンジは、長野県でいえば「伊那山脈」にそっくりだった。
伊那山脈は、長野県の伊那から静岡県の浜松方面まで、中央構造線沿いに南北100kmほどある。最高峰は2000m余だけど、広く険しく、ツキノワグマをはじめとする野生動物の宝庫でもある。
祖母山は、そんな山容にそっくりだったのである。
なので、山容だけをみれば、ツキノワグマがそこかしこにいるのではないかと錯覚してしまいそうだった。
しかし、祖母山がこれだけいい山でも、ツキノワグマの生息はオイラにとっても五分五分といえた。

もちろん、オイラが現地に暮らしていれば、これまでの経験から2年もあればツキノワグマの答えは出せると思った。
オイラなら、まず稜線の登山道に無人撮影ロボットカメラを設置して、最低でも2年間は毎日稼動させるであろう。
そして、谷や腹にも同じく無人撮影ロボットカメラを設置して、あとは「クマクール」も何カ所かに展開すれば、そこにツキノワグマが生息していれば確実に尻尾がつかめると考えた。
しかし、オイラが身銭をきって九州まで出かけていって、ツキノワグマの存在を確認する意味合いというものはみあたらない。


(いたるところに、クマ情報の看板が目についた)

10月に目撃情報がニュースになったときは全国的にかなりの関心が高まったのだから、もし、ツキノワグマの撮影に成功すればビックニュースとなって撮影者は一躍「時の人」になるにちがいない。
ここは、ぜひ、地元九州に住んでいるプロカメラマンがやらなければならないことだろう。
九州で動物カメラマンを自称している「プロ」は何人かいるのだから、まさに面目躍如である。
ここは、ぜひ地元の人たちに頑張ってもらいたい、と思った。


このような道路と山のカンジは、伊那山脈にそっくりの地形だった。


クマ情報を求める看板がいたるところにあったが、「待ち」の姿勢ではちっとも前へは進まないと思う。


中腹の杉林の下ばえ環境も、ツキノワグマ生息環境にはぴったりだった。


このような渓流沿いにも、足跡などの痕跡があるのかもしれない。


傾山までの林道も、どこにクマがいてもおかしくない環境だった。


傾山も裾野は険しく深かった。


いいクヌギ林があったので、双眼鏡とスコープで痕跡がないかと舐めてはみたけれど。


峠道は意外に狭かったが、大分県側が険しかった。


山麓にも、すこぶるいい環境がみられた。


祖母山では、カモシカがどうやらシンボルのようだった。

(from/ gaku )

コメント&トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

RSS feed for comments on this post.

Sorry, the comment form is closed at this time.

このブログへの訪問者