「熊の駅」でツキノワグマの全体像を探る試み
拙著「となりのツキノワグマ」152~153ページで、オイラは「熊の駅」構想を打ち出した。
道の駅ならぬ「熊の駅」、である。
高速道路にも、サービスエリアやパーキングエリアがあって、道行く人々はここに立ち寄ってひと休みをしていく。
そんな発想で、山野に暮らすツキノワグマが立ち寄っていけば、それを撮影して個体識別をすることによってその地域全体の個体数把握につながるのではないか。
これは絶対に面白い発見があるにちがいない、そう考えた。
そこで、「クマクール」を2kmメッシュで置いてみた。
標高や地形などを考慮して、「クマクール」の設置場所を考えていったら、偶然にも2kmメッシュとなっていた。
まだ、やりかけだが、いま現在は5箇所で順調に「熊の駅」がスタートしてデータを捉えている。
今後も随時増やしていくつもりだ。
たった5箇所だが、予想以上の成果があがっている。
自分でも驚くほどの新発見の連続であり、ツキノワグマのことを知るうえで確固たる手応えを掴んだ思いである。
まあ、ここでは具体的な公表を差し控えるが、スゴイことになってきた。
この「熊の駅」構想は、オイラのかねてからの懸案だった。
ツキノワグマは、一体全体何頭いるのだろうか、そしてどのような動きを全体的にしているのだろうか?
それを掴まないことには、保護も捕殺もできないし、ツキノワグマのことを語ることもできない。
そんな、オイラの疑問に答えをだすためにアイデアを絞っていったら、このような「熊の駅」構想にたどりついたのである。
これを、全国でやったら絶対にオモシロイ結果がでる、だろう。
とにかく、その地域のツキノワグマの全体像がほとんどつかめてくると思うからだ。
これは面白い、ほんんとうにオモシロイ、と思う。
「黙して語らない自然界」は、こちらが働きかければ必ず答えをだしてくれるものだ。
それを信じているから、オイラはたったひとりでカメラによる視覚言語をつかって「自然の口を割らせている」、にすぎない。
写真:
ここに撮影されているツキノワグマたちは、ほんの一例である。一晩に400枚なんてこともあった。雌雄を判別する股間撮影用「マタミール」も同時に設置されているから、一箇所の「熊の駅」には2台のデジタル一眼レフカメラが必要であり、特殊ストロボなども含めれば予算もそれなりに相当なものとなっている。これでも経費節減のために、機材装置などはすべて自腹の手づくり、である。
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こんにちは。以前このブログで書かれていた「D80中古買いあさり」の目的は、おそらくここにあったんですね。実践しておられる独創性に満ちた調査法や、そこから得られる撮影結果(写真)には、常に豊富な「データ量」と「特ダネ」を感じています。
GAKUさんは「自然界の報道写真家」を標榜されておられますが、報道写真の最大の価値は、写真から読み取れる「データ量」にあると思います。撮影者の端くれとして、データ量を伴う写真をモノにすることがいかに難しいか……ここ(サイト)に来るたびにそのことを思い知らされます。自分の「遠隔地(北アルプス地域)へ出掛けて行なう」というやり方では得られるデータにも限界があると感じています。
GAKUさんにして「予想以上の成果」「新発見の連続」というほどの結果を早く知りたいですねー。ではまた。
コメント by ぴかぶうの雇い主 — 2011/10/1 土曜日 @ 10:23:21
先週、妻籠宿で栗を買ったとき、お店のおじさんから面白い話を聞きました。
クマが栗農園に居ついて、昼間でもいるそうです。
クマ棚作るので、その木からの採取はせず、農家の人は普通に作業。
互いに境域守っているためか、今のところトラブルないそうです。
また風呂に入っていると(昼か夜かは?)、クマが窓の向こうを歩いているのが見えるそうです。
クマと上手に距離を取り、事故もなく、互いに幸せに暮して欲しいものだと思いました。
時間があれば、もっと面白いクマ話が聞けたかもしれないので、
またお店に行ってみたいと思います。
コメント by kana — 2011/10/2 日曜日 @ 0:03:44
■ぴかぶうの雇い主 さん
写真から、何を読むか、ということが撮影者としても大切だとボクは考えています。
ただ、クマが写っているだけ、ではその先が見えないからです。
■kana さん
妻籠宿周辺も、山が深いですからクマは高密度で生息していると思います。
最近は、高速道路で通過するだけですが、高速道路からでもツキノワグマの痕跡は随所に見られますから、現代社会を学習している新しいクマは増えていると思います。
コメント by gaku — 2011/10/18 火曜日 @ 8:48:10