「発情期」を迎えた雌のツキノワグマ
今日の午前10時ころ、市役所の広報車が「熊の目撃があった」といって、かなり慌ただしくスピーカーしながら注意を呼びかけていた。
中央アルプス山麓の自然豊かな駒ヶ根高原なのだから、ツキノワグマはどこに出没してもおかしくない。
元々からツキノワグマの生息地なのだから、そんなに慌てなくてもいいものを、と思う。
ツキノワグマなんて、高原に設置してあるオイラの無人撮影ロボットカメラには毎日のように写っている。
そのくらい、高密度地帯なのだから、慌てることなんてひとつもない、ではないか。
そんなオイラのカメラには、ここへきてメスの陰部が赤く腫れあがった個体が写るようになってきた。
たぶんこれは、発情しているメスなのだろう。
このように、陰部が赤く腫れたツキノワグマは、これまでにもたびたび撮影されてきていた。
それらの写真を分析してみると、7月中頃に集中しているから、発情期にまちがいないと思っている。
なかには、耳にタグをつけている個体もいる。
タグのナンバーから、すでに3年間にわたって追跡できている個体だが、彼女はまだいちども子連れで現れたことはない。
○○番とナンバーが読めるだけに、このメスはマタミールで確認しても、いちども出産をしたことがないお腹をしている。
まだ、若そうだし、いま発情がきているということは来夏に期待がもてる。
それまで、うまく生き延びてくれることを願うのみだが、このメスは、カメラの前ではかなり大胆な振る舞いをする。
しかし、捕獲されたことのある檻には学習を重ねていて近づかないのだろう。これまで、彼女の行動域にはいくつもの捕獲檻が設置され続けてきたが、いまのところうまくかわしているからだ。
こういうクマもいるのだから、檻だけを無人カメラで狙って、近づいてくる複数のツキノワグマたちの行動習性を観察してみるのも面白い結果がでるかもしれない。
今日、駒ヶ根高原で目撃されたツキノワグマは、はたしてオスなのだろうか、メスなのだろうか。
捕獲された経験のある「耳タグ」をつけていたのだろうか、それともノーマーク個体か。
目撃者は、そんなところまで確認することもできないだろうし、ましてタグがあったとしてもナンバーまで読むことは不可能だ。
高性能なオイラの手づくり無人撮影ロボットカメラなら、タグのナンバーまでも読みとることはできるのだが。
ツキノワグマが目撃されたからといって、行政が慌てふためいて広報するだけが仕事ではないと思う。
観光地である駒ヶ根高原には、一体全体どのくらいのツキノワグマが生息しているのかくらい、行政側が関心をもってもいい。
そうでもしないと、観光地で人身事故が一度でも発生すれば、観光的ダメージは避けられないからだ。
写真:
陰部が赤く腫れたメスのツキノワグマ。
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